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日本国籍がなく消防団に入れず…「にしゃんた」が語る移民問題

社会・政治 投稿日:2019.01.31 16:00FLASH編集部

日本国籍がなく消防団に入れず…「にしゃんた」が語る移民問題

 

 大学教授の傍ら、タレントとしても活動する「にしゃんた」は、1987年、ボーイスカウトの一員として初来日した。

 

「スリランカでは『おしん』を放送していました。その後、日本産の中古車が入ってきて、経済が進んだ『憧れの国』だと見方が変わったんです」

 

 

 帰国後、父親が家を担保に作った7万円を手に、留学生として再来日する。「もうひとつの日本」を知るのは、そのときからだ。

 

「当時、雄琴温泉で布団敷きのバイトをしていました。一緒にいた日本人は、バブルに取り残された負け組。華やかな時期の日本も見たし、その裏の人とも接触できたことは、僕の財産やと思うてます」

 

 立命館大学経営学部を、学部総代で卒業。就職活動では独立行政法人国際協力機構(JICA)や、日本貿易振興機構(JETRO)など、国際関係の仕事を希望したが……。

 

「『国籍条項』の壁で門前払いでした。仕方なく(笑)、大学院で博士号を取り、公立大学の教員に。

 

 でも、家を買おうと思ったら住宅ローンが組めず、消防団に入ろうとしても、あかんかった。日本は閉鎖的な社会やと、思い知らされました」

 

 そして、日本国籍を取得。こうした経験から、外国人労働者の受け入れ拡大へ疑問を持つに至った。

 

「多文化共生は賛成ですが、『移民』は慎重に。閉鎖的な社会では、弱者である外国人労働者に、しわ寄せが向かうでしょう。日本には感謝しているからこそ、訴えたいんです」


にしゃんた
1969年7月18日生まれ スリランカ・キャンディ出身 龍谷大学大学院で経済学博士号を取得し、現在は羽衣国際大学現代社会学部教授。1992年、初代京都府名誉友好大使に選出。2009年、「社会人落語日本一決定戦」で準優勝。僧籍を持ち、全日本空手道連盟公認四段

 

(週刊FLASH 2019年1月22日号)

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