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早稲田VS慶応「おいしい」付属校はどっち?
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.03.23 12:00 最終更新日:2016.03.23 12:00
早稲田大学の系列校は、大きく2つに分けられる。「付属校」と「系属校」だ。
付属は、経営母体が早大と同一法人で、卒業生は全員、早大へ進学できる。系属は、早大と別法人が経営し、理事などを早大から派遣している。卒業生は高校時代の成績によっては早大に進学できない。
「人気の学部に進学したいのなら、学院か本庄でしょう。系属校の内部進学率も上がってきていますが、政経学部や理工系などの枠は、十分とはいえません」(本庄OG)
系属校は、早稲田実業(早実)、早稲田高校(早高)、早稲田摂陵高校(摂陵)、早稲田佐賀高校(佐賀)、早稲田渋谷シンガポール校(シンガポール校)など。
「早実や早高は『普通の進学校』。制服があったり、携帯電話を没収されたりする。学院や本庄が早大の一学部という位置づけで、自由な校風で知られているのとは対照的です」(系属校を卒業した早大OB)
学院や本庄の教員は大学院博士課程や修士課程で学んだ研究者が多い。
「授業は独特。大学受験に左右されず、教養重視の内容なので、おもしろい」という。摂陵や佐賀は、関東圏の付属・系属校に比べると、難易度も、早大への進学率も低い。
「どうしても早大というのなら狙い目ですが、入学後に頑張らなくてはいけない」(塾講師)
シンガポール校は、在外邦人の子供を対象に設立されたインターナショナルスクール。シンガポール国外からも生徒を募る。生徒の国籍は問わないが、ほぼ日本人だ。
一方、慶應義塾大学の付属校は、卒業生は全員が内部進学できる。一貫教育を重視。早大とはこの点で大きく違っている。
「ただ、高校でもかなりの人数が留年します。1クラスに2〜3人くらい」(慶應義塾高OB)。
付属小学校である慶應義塾幼稚舎(幼稚舎)からは、湘南藤沢中学(藤沢)を除くどの付属中に行ってもいい。なかでも幼稚舎→慶應義塾普通部(普通部)→慶應義塾高校(塾高)という進路が“本流”といわれている。
「机の上の勉強だけなら、開成高校や麻布高校でもできる。慶應のよさは、人と人とのつながりです。そこでコミュニケーション力、人間力を磨けます」(普通部OB)
中等部は先生を「さん」づけで呼ぶ自由な校風で知られる。入試問題自体は難しくないという。が、ミスはダメ。満点を狙うのが攻略法だ。二次試験もある。面接では縁故も影響があるという。塾高は、慶大各学部への内部進学枠がもっとも多い。
塾高から医学部に進んだOBは、「僕のときで塾高から医学部に入ったのが28人。ほかの付属高は7〜8人にすぎませんから、好きな学部に行きたいなら、塾高がいいと思います」
慶應義塾志木高校(志木高)は、外部受験で入ってくる生徒の割合が塾高より多い。横浜市にある塾高に比べると、人気薄だ。慶應義塾横浜初等部(横浜)→藤沢は小中高一貫校。横浜は開校から2年ということもあり、受験の傾向が毎年変わっている。どちらかというと勉学重視。
幼稚舎の入試は「その子が合っているかどうか」をじっくり見る独特の試験。学力や結果よりも考える過程を重視。幼稚舎出身者に「個性派」が多いのもうなずける 。
<内部進学率>
早稲田大学高等学院 99%
早稲田大学本庄高等学院 98.5%
早稲田実業学校高等部 97.4%
早稲田高等学校 42%
早稲田摂陵高等学校 14.2%
早稲田佐賀高等学校 45.8%
早稲田渋谷シンガポール校 65%
<内部進学率>
慶應義塾高等学校 99.2%
慶應義塾志木高等学校 99.7%
慶應義塾女子高等学校 94.1%
慶應義塾湘南藤沢高等部 99.2%
慶應義塾ニューヨーク学院 100%
※慶應付属高は、卒業さえできれば全員が慶應大学に内部進学できる。
(FLASH+ 2015年12月5日増刊号)