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元ソフトバンク社畜が語る「2人の鬼上司」孫正義が激高して…
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.03.10 11:00 最終更新日:2019.03.10 11:00
■孫正義が史上最高にブチ切れた土曜の朝
「とある週末のことです。金曜の夜中3時ぐらいに帰宅して、シャワー浴びて寝ていたら、5時間後の朝8時に、孫さんの秘書から『孫社長が今すぐ来てくれと言っています』と電話がありました。
急いで出社すると、ガラス張りの小さな会議室で、孫さんと社長室長の三木(雄信)さんが、言い合っていました。孫さんは憤慨されていて、顔は真っ赤でした。
『お前ら、そんなチンタラチンタラやってたら、このプロジェクトが全然進まんやないか! タスク管理をやっとるのか! やることはたくさんあるんだ! 今からタスク1000個書け! 必ずやれ! いますぐやれ! オレは全力ホンキなんだよ! わかってるのか? ホンキでやってるのかよ? わかってるのか‼‼‼」
ひとしきりぶち撒けたあと、ホワイトボードを叩き、ペンや黒板消しを、思いっきり壁床に投げつけました。赤く染まり上がった顔に、ドラマや映画のワンシーンのようなその言動は、まるで本物の赤鬼でした。
その様子は、社長室長だった三木さんが『あんなに社長が憤慨した姿を見たのは初めてだった。これは本気だと思った」と言うほどでした。
土曜の早朝、孫さんの熱がこもった会議室をあとにした僕は、頭を冷やしてから宿題の『タスク1000個』を考えようと、会社の周囲を散歩することにしました。
会社のすぐそばを流れる隅田川に、流されてきた自分の20代を重ねて絶望しかけましたが、そこは培ってきた社畜力がモノを言います。『奴隷はどうせ逃げられない』と思い返し、オフィスに戻ってタスクを書き始めました。結局300個くらいしか書けませんでしたが(笑)」
そして、BBのスタートを成功させた須田氏は、鬼上司A氏に呼び戻されて、再びデジ社に専念する。そして、デジ社の上場を期に退社し、友人の会社へと合流した。
「会社を辞めてからも、6000万円の借金を背負ったり、死を覚悟するほどのピンチがありました。でも、ソフトバンクの社畜経験が、『なんとかなる』『なんとかする』という心を植え付けてくれました。
エクセルもパワーポイントも、いまでも残る僕のコアスキルですが、一番の財産は、ピンチでも考えることをあきらめて、手を動かしてしまう性分ですかね(笑)」
すだ きみゆき
1973年生まれ 茨城県牛久市出身 自称「エンジェル労働家」の経営アドバイザー。1998年にソフトバンクのグループ企業に入社し、経営企画担当「Yahoo! BB」事業の立ち上げ、衛星放送事業子会社の上場に携わる。2002年に退社し、アエリアのCFO(最高財務責任者)就任。社内ベンチャー企業を設立し、惣菜店の運営を経験したのち、2004年に同社の上場に携わり、CFOとしてゲーム、IT、金融企業のM&Aなどを手がけた
※孫氏や鬼上司との逸話がユーモラスに描かれた、初の著書『恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方』(ヨシモトブックス)が発売中