社会・政治
ニュージーランド銃撃事件、原因の1つは地震復興による移民増
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.03.16 16:00 最終更新日:2019.03.16 16:00
ニュージーランド南部のクライストチャーチで、3月15日の昼過ぎに大規模な銃撃事件が起きた。2カ所のイスラム教の礼拝所・モスクを狙った犯行で、計49人が死亡し、20人以上が負傷している。
比較的、治安がよいことで知られるニュージーランドで起こった今回の惨劇は、同国内のみならず世界中に衝撃を与えている。
銃撃犯の1人はオーストラリア国籍の市民とみられている。2年前から銃撃を計画していたとする犯行声明をインターネット上に掲載しており、その声明では、白人至上主義や移民排斥への感情がむき出しになっていたという。
今回の事件の背景に移民に対する憎悪が指摘されている。
2011年2月22日、クライストチャーチはマグニチュード6.1の大地震に見舞われた。
この地震で、市中心部にある「CTVビル」が崩壊し、ビル内にあった語学学校に留学していた28人の日本人学生が犠牲になったことで、日本でも大きく報道された。
このほか、クライストチャーチ市内では市のシンボルである「クライスチャーチ大聖堂」や、4万〜5万棟近くの家屋が被害に。しかし、それらの多くはまだ復興していない。市内は現在も復興途中の建物、封鎖状態の古い家屋などであふれている。
「人手も足りていないし、日本の復興事業ほど効率的におこなわれていない。復興にはまだまだ時間がかかるでしょう」と現地の日本人ガイドは話す。
クライストチャーチの人口はおよそ38万人。そこで、ニュージーランド政府がとった施策が「ワークビザ」発行条件の大幅緩和だった。
ニュージーランド政府は復興のため、さらなる外国人労働者の確保が必要と試算し、2015年7月からニュージーランドで働く外国人に対して、1年ごとのビザから3年間有効のビザがおりるように。
それ以前の2014年にも、ニュージーランド政府はクライストチャーチ外からの労働者に対して、一定期間以上働く仕事を見つけることを条件に助成金を出すなど、労働者を外部から獲得することに積極的だった。
しかし、その一方で、住居費の高騰など国民から多くの不満が出ており、2018年2月には労働者も含めすべての外国人に対して、中古住宅の購入を規制している。地震が発端となった、移民への「ジレンマ」が今回の惨劇を生んでしまったのだろうか。