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ゴーン容疑者、4度目の逮捕は「マネーロンダリング」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.04.10 06:00 最終更新日:2019.04.10 06:00
4月4日、オマーンルートの特別背任容疑で東京地検特捜部に4度めの逮捕をされた前日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(65)。早朝6時前に東京地検の係官がゴーン容疑者が暮らすマンションに乗り込み、6時45分には身柄を地検に移送。まさに異例の逮捕劇だった。
「3度の逮捕で有罪にできる自信があれば、今回の逮捕は必要なかった。これまでの逮捕容疑である、虚偽記載とサウジアラビアルートの特別背任では『弱い』と、特捜部は焦っていたはず」(大手紙社会部記者)
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家宅捜索で押収したのは携帯電話、書類、日記のほか、妻の携帯電話やパスポートまで。ゴーン容疑者の弁護人である、弘中惇一郎弁護士は、4月4日に開いた緊急の記者会見で、こう批判を展開した。
「『証拠隠滅の恐れがない』と確認された被告を、一連の事件で再逮捕することはあり得ない。(ゴーン容疑者の)会見での発言を妨害するための口封じ。文明国で、あってはならないこと」
司法担当記者が語る。
「ゴーン容疑者の108日間に及ぶ長期勾留には、海外メディアから批判が集中した。にもかかわらず、4度めの逮捕に踏み切り、夫人の携帯まで押収している。
批判を覚悟で逮捕したのは、検察みずからが、『これまでの捜査では不十分だった』と言っているようなもの」
今回の特別背任容疑は、ゴーン容疑者の指示で、日産子会社の「中東日産」からオマーンの販売代理店に、約17億円を支出させ、うち約5億6000万円を、自身が実質的に保有するレバノンの投資会社に移し、日産に損害を与えたというもの。
別の司法担当記者は言う。
「サウジルートよりわかりやすいのが今回。『きれいな背任』といってもいいです。ゴーンのもとに資金が戻っていることや、妻や息子への資金の流れも疑われていて、還流の構図がわかりやすい。だから検察は賭けに出たのです」
「今回はマネーロンダリングそのもの」と話すのは、猫組長こと菅原潮氏だ。かつては経済ヤクザとして、中東オイルマネーのマネーロンダリングで暗躍してきた同氏が語る。
「(スヘイル・)バウワン氏は、中東で自動車を販売するルートを持っている実力者の一人。彼を通さないと、各国とも、中東での自動車販売ができないほど。そのバウワン氏の会社を通じて、カネを自分に還流させている。
まさにその『還流スキーム』こそが、マネロンだ。国内に収まる事件ではなく、こんな事件は日本の裁判所も検察も、弁護士も扱ったことがないはずだ。だから、マネロンが何かをわかっていない。
それなのにゴーン容疑者は、いったん保釈されていた。そのことは、司法判断のミス。中東での捜査協力などが得られていなければ、証拠隠滅されるに決まっている」
(週刊FLASH 2019年4月23日号)