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山尾志桜里が語った「政治家の原点は女性ホームレス殺人」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.04.05 06:00 最終更新日:2016.04.14 17:51

山尾志桜里が語った「政治家の原点は女性ホームレス殺人」

 女性にしては、やや低音で少しハスキーな声が議員会館の部屋じゅうに響き渡る――。「大きな声ですね」と話を振った。

 

「そうですか? 法廷よりも『アニー』の舞台で培(つちか)
われたのかもしれません。『三つ子の魂百まで』といいますから」

 

「保育園落ちた日本死ね!!!」の匿名ブログに関して、衆議院予算委員会で山尾志桜里議員(41)は、安倍晋三首相に厳しく迫った。

 

 この質問で勇名を馳せたことは記憶に新しいが、「政調会長就任は、あの質問の論功行賞。それと、目新しさがない民進党の目玉にされた」(政治部記者)なんて意地悪な声もある。

 

「経験不足は、自分がいちばんわかっています。ですが、民進党にとって大切な時期ですし、私に果たせる役割があるならと決意しました。

 

 もちろん家族にも、相談しました。夫と5歳の長男と食卓を囲み、長男には『ママにとってあなたがいちばん大事だけど、困っている子供たちのために(政調会長を)やりたいの』と言うと『いいよ』って。『いいよ』は最近の口癖なんですけどね(笑)。

 

 夫からは『今まで以上にバックアップする』という言葉をもらい、決意が固まりました」

 

 山尾氏は、聖徳学園小学校時代にミュージカル『アニー』で初代アニー役を務めた。

 

 東京学芸大学附属大泉中学、同大附属高校から東京大学に現役入学して法学部を卒業。3年後、7度めの挑戦で司法試験に合格すると、2004年に検察官任官。東京地検、千葉地検、名古屋地検に着任した。

 

「検事時代の事案で最も印象に残っているのは、60歳を過ぎた女性ホームレスが河原で3人の少年と無職男性1人に殺された事件です。

 

 なぜ60歳を過ぎた女性がホームレスにならなければならなかったのか。なぜ少年たちが人の命を奪うことになったのか。こうなる前に家族や社会が食い止めることはできなかったのか。この事件は私が政治家になるひとつの原点でもあります。

 

 検事をなぜ選んだか? 手弁当で頑張っている弁護士さんもいらっしゃいますが、お金や契約のやり取りがないなかで、正義が貫けると思ったんです」

 

 2007年、検察官を退官して立候補の準備に入る。そして民主党が政権を奪取した2009年の選挙で初当選。しかし2012年の選挙で落選。

 

 2014年の選挙で返り咲いたが、2009年に当選した民主党女性議員26名中、現在国会に残っているのは山尾氏だけである。

 

 つまり、山尾氏はわずか当選2回。政調会長抜擢はやはり「異例中の異例」(政治部記者)といえる。

 

「私が政調会長として果たせる役割は、国民の中に飛び込み、声を聞き、国民の言葉で語ることだと思うんです。政治の場で何をやらなければならないかは、そのときどきの国民の声が
教えてくれますから」

 

 その山尾氏を襲った金銭問題。政調会長就任直後、「奇妙な政治資金」と「週刊新潮」に報じられ、なかでも2012年に計上されたガソリン代は230万円。「地球5周分を走れる量」と批
判された。

 

 これには、「大変お騒がせしておりますが、事実関係を確認しております」と述べるにとどめた。

 

 すみやかに全容を解明し発表することが、政調会長としての責務である。

(週刊FLASH 2016年4月19日号)

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