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川崎殺傷事件「へっこき」と呼ばれた容疑者の孤絶人生社会・政治 2019.06.04

『小学校の卒業アルバム』

 

「授業中にいきなりふらふらっと教室から抜け出して、校庭に出てみたり、ちょっとしたことでも突っかかってきて、唾を吐きかけてきたり。キレやすくて嫌なヤツ。いつも先生の手を焼かせていました」

 

 川崎市多摩区で、私立カリタス小学校の児童ら20人を殺傷した岩崎隆一容疑者(51)。小学校時代の同級生が語る思い出は、かなり辛辣なものだった。

 

 あだ名は「へっこき」。卒業アルバムには同級生が《岩崎君は “へっこき” “へっこき” とよばれて、なんともないのかしら》という一文を寄せている。

 

 

 担任教諭も《動物の世話が大好き。けんかも……好きなのかな? 一人でいる時は、とっても、ものわかりのいい子なのですが……》と書いていた。

 

「幼いころは『隆ちゃん』と呼ばれ、よくうちの近くで遊んでいましたね」(近隣住民)

 

「隆ちゃん」の家庭には複雑な事情があった。前出の同級生は、こう記憶している。

 

「親がいなくて、おばあちゃんと暮らしていると聞いていました。複雑なんだなぁ、と思ったことがあります」

 

 幼少期に両親が離婚し、父親の兄にあたる伯父の家族と同居していた岩崎容疑者。その伯父夫婦には、同容疑者と同年代の長男、長女がいた。

 

「きょうだいはともに、カリタスに通っていたと聞いていました。2人とも、小学校の集団登校には来ていませんでしたからね」(別の近隣住民)

 

 私立の名門小学校の児童を狙った、今回の事件。同じ屋根の下で暮らすいとこは、カリタスに通い、自身は地元の公立小、中学校に通う。鬱屈した感情は、そのころから岩崎容疑者の心に蓄積した。中学校の同級生に聞くと、岩崎容疑者の印象はより薄くなっていく。

 

「当時は1学年で11クラス、400人を超える生徒数。『岩崎』という生徒がいたことも思い出せない」(中学校の同級生)

 

 ほかの同級生も、事件が報じられて初めて同級生だったと知る人が多かった。覚えていた同級生も「存在感が薄い生徒だった」と話す。中学卒業後、岩崎容疑者は職業訓練校に通ったとの話もある。

 

 一方、2人のいとこはそれぞれ独立。伯父夫婦と岩崎容疑者の3人だけの生活が続いた。岩崎容疑者は、引きこもり生活を送ってきたようだ。

 

「たまに長女が、車で子供と一緒に帰ってきて、ご両親の面倒を見ていたようです。でも、彼を見かけることはなかった」(前出の近隣住民)

 

 岩崎容疑者の部屋には、テレビやゲーム機などが置かれていた。押収されたものはノートなど数十点にのぼるが、携帯電話やパソコンなどはない。伯父らとは長い間、顔を合わせることはなかった。食事や小遣いを渡すときも、対面することはなかったという。

 

 だが、そんな生活も限界に達していた。伯父と伯母は訪問介護が必要な状態になり、2017年11月、親族が川崎市に相談。相談回数は、2019年1月を最後に、15回に及んでいたという。2018年6月からは、実際に伯父と伯母への訪問介護が始まっている。

 

 市の担当者によると「目立ったトラブルはなかった」と語るが、このままの引きこもり生活を、今後も続けることができなくなるという現実を突きつけられた。

 

 岩崎容疑者が、凶器となった包丁2本を購入したのは2019年2月。自宅からは、海外の猟奇的な殺人事件などが載った雑誌2冊が見つかっている。怨念を、カリタス小に通う子供たちに向けたのだろうか。

 

 凶行に及んだ直後に自殺した岩崎容疑者。自身の首前側の上下2カ所に、包丁を突き刺した。ためらった様子は、まったくなかったという。

 

(週刊FLASH 2019年6月18日号)

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