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テレビ・スポーツ中継これが原価だ(4)マラソン、ゴルフ、相撲、テニス……

社会・政治 投稿日:2016.05.08 12:00FLASH編集部

テレビ・スポーツ中継これが原価だ(4)マラソン、ゴルフ、相撲、テニス……

写真:AFLO

 

 ●箱根駅伝

 

 正月の風物詩、箱根駅伝は1987年以降ずっと日テレが中継をおこなう。毎年視聴率30%近くを叩き出すおばけコンテンツで、今年も断トツの強さを見せた。

 

 ゆえに「民放の単発番組のなかでいちばん儲かっているはず」(元・日テレプロデューサー)というのも納得。

 

 中継だけでなく沿道の警備なども含め制作費は8億円と、スポーツ中継としては破格だが、視聴率が30%もあれば十分、いやそれ以上の収入があることは言うまでもない。

 

 日テレは主催の関東学生陸上競技連盟に対し年間1億円程度支払っているというが、それでも安い買い物かもしれない。

 

●テニス

 

 錦織圭の活躍で一気に高騰したのがテニス。準優勝した2013年全米はWOWOWの独占中継だったが、その直後には翌年1月の全豪の放映権をめぐって、5億円の攻防が繰り広げられた。

 

●大相撲

 

 2014年から人気を取り戻し、いまや満員御礼が続く大相撲は、1場所につき4億円程度をNHKが日本相撲協会に払っている。

 

「若貴ブームのころ民放が生中継させてほしいと言ってきたことがあります。NHKの返事は『うち(NHK)と同時中継ならかまいません』。それであっさり民放は手を引きました」(スポーツプロデューサーの杉山茂氏)という話もあったという。

 

●サッカー天皇杯

 

 元日といえばサッカー天皇杯。中継は共催として名を連ねるNHKが担当している。放映権料は全試合で5000万円といわれるが、Jリーグの試合が地上波でほとんど中継されない現状にあって、この値段は高い?

 

●マラソン

 

 冬季に放送が増えるマラソンは、五輪代表選考のようなプレミアつきで3000万円程度。

 

「五輪や世界大会の選考レースがいくつもできて、局同士で有力選手を取り合うようになった。そのため選考基準が複雑なものとなり、代表選考で揉めるのは毎度のことになってしまった。テレビマネーがスポーツに及ぼす悪影響のひとつといえるでしょう」(杉山氏)

 

●ゴルフ

 

 意外なのはゴルフ。なんとほとんどの中継では放映権料なし、つまりタダだという。

 

「冠となっているスポンサーの広告を確保することでなんとか中継している状況。視聴率が取れないわりに中継費用はかかるので、テレビ局は『中継してあげる』という立場。日本選手権などの公式戦には放映権料が発生したが、それも2009年に日テレが無料契約したことで図式が崩れた」(ゴルフジャーナリスト)  

 

 その一方で、TBSはマスターズ中継に5年間で10億円を支払っているともいわれる。「採算は度外視」(関係者)というが、これも面子(メンツ) のためか。

 

(FLASH+ 2015年12月5日増刊)

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