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宮迫も頼んでいれば…「反社チェッカー」お値段は1件20万円

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.07.26 06:00 最終更新日:2019.07.26 06:00

宮迫も頼んでいれば…「反社チェッカー」お値段は1件20万円

暴力団に関係するフロント企業の一覧表

 

「宮迫(博之)さんの件なら、電話1本で、営業相手が反社勢力であることがわかったはず。事前にご相談いただければ、格安で調査したのですが……」

 

 そう語るのは、外資系の調査会社でリスクコンサルタントを担当するA氏(48)。一般企業の従業員や取引先に反社会的勢力が紛れ込んでいないかをチェックする、“反社チェッカー” と呼ばれる存在だ。

 

 

 昨今、コンプライアンス意識が高まるにつれ、依頼が急増。さらに「宮迫闇営業」が発覚して以後、問い合わせが殺到しているという。こうした調査会社は、ほかに数社あるそうだ。

 

「とあるリゾート企業がM&Aをおこなう際、『念のために……』と頼まれて、買収先の企業を “反社チェック” することになりました。

 

 ところが、過去の金融取引を確認していくと、出資先の企業のなかに “シロ” と断定できない社が残りました。そこの幹部の名前を警察関係者に照会すると、暴力団関係者だと判明したのです。もちろん、M&Aは中止です」

 

 冒頭の写真は、警察庁が過去に作成した、反社勢力と関わりのある『フロント企業』のリストだ。営業内容は、ごく普通の企業となにも変わらない。

 

 一方、知人の警察関係者に問い合わせ、データベースに照会してもらうという手法だけでは、“反社チェック” は難しいという。

 

「こうしたデータベースでは、名前が正確に一致しなければ、該当者が引っかかりません。たとえば、一度離婚して再婚すれば、再婚相手の姓に自分の名字を変えられるため、データ上はもう『別人』です。

 

 また、最近は、経歴に傷がない一般人を巻き込んで協力させる反社勢力が増えていて、過去のデータベースが役に立たないことも多いのです」

 

 一般人を使った、巧妙な最新事例を教えてくれた。

 

「大手医療機器リース会社の地方支店で、納入したはずの数億円分の医療機器が行方不明になった事件がありました。

 

 社内調査の結果、ある女性社員が書類を偽造して契約をでっちあげていたと判明し、その社員は逮捕されました」

 

 その女性社員は、地元の病院経営者の家に生まれ、有名大から総合商社に入った才媛だった。

 

「医者を引退した父親の介護のため、商社を辞めて帰郷したということで採用されました。そのとき、私が “反社チェック” を依頼されたんです。

 

 調べてみると、父親が経営する病院は、長年の放漫経営で破綻状態。その債権者のなかに、暴力団関係の金融会社がありました。ただ、本人には関係のない話だと、会社は結局、彼女を入社させました。

 

 ところが、事件が発覚した後にわかったのですが、彼女は親の借金を返すカネを作るため、最初から詐欺目的で入社させられていたのです」

 

 A氏は、反社勢力と定期的に接触し、情報収集に励む。

 

「『蛇の道は蛇』です。複雑に入り組んだ反社勢力の人間関係を知ることが、“反社チェック” の第一歩。怪しい企業があれば、彼らに直接聞くのがいちばん早い。ただし、調査の際はかなり気を遣います。

 

 たとえば、暴力団関係者には『足を踏むといけないので』と、断わりを入れます。こちらの調査でシノギに影響が出ると申し訳ないので、確認させてほしいとお願いをするのです。こうした人間関係による確認がいちばん大きいですね」

 

 闇社会と深く繋がらざるを得ないだけに、“反社チェッカー” にはさまざまな人材がいる。

 

「警察の組織犯罪対策部のOBや、米国のFBIなど司法当局の幹部OBをスカウトして、海外経由でチェックするところもあります」

 

 お値段は、月額顧問料5万円に加え、それぞれの調査ごとに20万円前後がかかるという。だが、反社と関わって失うものを考えれば、安いものだろう。

 

(週刊FLASH 2019年8月6日号)

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