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いわば皇族の披露宴「即位の礼」はこうしておこなわれる

社会・政治 投稿日:2019.10.22 06:00FLASH編集部

いわば皇族の披露宴「即位の礼」はこうしておこなわれる

1990年11月12日の即位礼正殿の儀。左端は万歳三唱する海部俊樹首相(当時)/JMPA

 

 令和元年10月22日。2019年限定の祝日となるこの日におこなわれる厳かで華やかな儀式。そのひとつひとつの意味を知れば、新しい時代への祝福の思いが、自然と湧いてくるはずだ。

 

 皇居宮殿のなかでも、ほかの棟より一段高い場所にある「正殿」。その中心に位置するもっとも格調高い「松の間」には、天皇陛下が昇られる高御座が、そのわきには雅子さまが昇られる御帳台が据えられている。

 

 

 中庭には「旛(ばん)」と呼ばれる旗が色鮮やかに林立し、弓や太刀を手に、古の装束に身を包んだ参役者らが控える――。

 

「10月22日午後1時、『即位礼正殿の儀』が執りおこなわれます。天皇陛下がご即位を全国民、諸外国に対し、自ら高らかに宣明する儀式です」

 

 天皇・皇室研究者の高森明勅氏がそう語る。

 

「5月1日の『剣璽等承継の儀』で、皇位継承の事実は示されています。それが結婚式だとしたら、即位礼正殿の儀は披露宴と考えてもいいかもしれません」(高森氏、以下同)  

 

 高御座に昇られた陛下は、内閣総理大臣をはじめ、参列者を前に即位に際しての「おことば」を述べられる。それを受けて、総理は陛下へ寿詞(お祝いの言葉)を述べ、万歳を三唱する。儀式はおおむね30分で終わる。

 

 午後7時20分、正殿「竹の間」で、世界の元首クラス要人が集う「饗宴の儀」が催される。即位の礼のあとは、11月14日、15日の「大嘗祭」へと続く。令和への御代替わりは、こうして完結するのだ。

 

 美智子さまは、のちに、当時の様子をこう詠まれている。
<人びとに見守られつつ御列の君は光の中にいましき>

 

「国民の祝福にお応えになっている天皇陛下のお姿が、秋の日差しの中でいかにも晴れやかであるという意味です。両陛下が国民に直に接することをなにより喜んでおられた証しです」  

 

 新しい時代の幕開けに立ち会える、貴重な機会である。

 

(週刊FLASH 2019年11月5日号)

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