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高山清司若頭、シャバ帰還の晴れ着は「総額90万円」

社会・政治 投稿日:2019.10.31 06:00FLASH編集部

高山清司若頭、シャバ帰還の晴れ着は「総額90万円」

10月18日、JR品川駅の新幹線ホームでの高山若頭

 

「お前はずいぶん太ったなあ」

 

 お付きの組員に、新幹線の中でこう話しかけていたのは、10月18日に府中刑務所から出所した「六代目山口組」のナンバー2、高山清司若頭(72、「高」は正確には「はしごだか」)だ。

 

 

 新幹線のグリーン車1両が名古屋まで、スーツ姿の組員で貸し切り状態。そのまわりを、防弾チョッキを着た警官が取り囲んでいたが、高山若頭は意に介さない様子だった。

 

「高山若頭が出所時に着ていたのは、米国の名家・ケネディ一族が愛用したことで知られる最高級ブランド『ベルルッティ』の上着とシャツなどです。最新モデルで、合わせて90万円を超える高級品。

 

 2011年に、六代目山口組・司忍組長が出所したときも、上下『エルメス』のスーツで揃えていましたね」(六代目山口組の主要組織「弘道会」関係者)

 

 ヤクザ社会の取材を続けるノンフィクション作家の溝口敦氏は、「着ているものもデモンストレーションのひとつ」として、こう解説する。

 

「若い組員が、出所するときの服を選んだのでしょう。『下手なものを着せるわけにはいかない』と。高級な服を着られるのは、組長とそれに次ぐ若頭ぐらいですから」

 

 名古屋駅のホームには、六代目山口組の最高幹部らが並び、一斉に「お帰りなさい」と出迎えた。その後、名古屋市内の弘道会傘下の組事務所で司組長と対面。出所の報告をしたのだった。

 

 高山若頭は、司組長が銃刀法違反で逮捕、収監され、2011年4月に出所するまでの5年余り、実質的なトップとして山口組の運営を担った。その間、出身団体の名前を由来とする “弘道会方式” と呼ばれる強権体制を確立してきた。

 

 その後、高山若頭が恐喝容疑で逮捕され、府中刑務所に収監されたのは2014年12月のこと。それを待っていたかのように、翌2015年8月に山口組が分裂して「神戸山口組」が結成。さらに2017年には、神戸山口組から「任侠山口組」が再分裂した。

 

 今後、3団体はどうなるのか。前出の溝口氏は、「高山若頭は、再統一を視野に入れている」とみている。

 

「服役前の高山若頭は、意に沿わない直系組長のクビを切ってきた。しかし、弘道会方式が反発を招いたことはわかっているはずで、理想としては『組員の数を分裂前ぐらいまでに戻したい』と考えている。

 

 そのため、神戸山口組の入江禎副組長や、任侠山口組側とも話す用意があると聞きます。出所前に、警察に対して今後の展望も話しているようです。

 

 どういう形であれ、六代目山口組の組員数をある程度戻すことができれば、将来的に七代目を高山若頭が襲名することになるかもしれません」

 

 一方10月には、神戸山口組の主要組織である「山健組」の組員2人が、弘道会系の組員に射殺される抗争事件が起きた。

 

「警察は、六代目側と神戸側の両者を、『特別抗争指定暴力団』に指定しようとしている。すると、組員が5人で歩くだけで逮捕される。すでに主要施設の使用制限の仮命令が出ていて、このままだと山口組消滅が現実化してくるだろう」(関東在住の暴力団関係者)

 

 溝口氏は、「高山若頭の出所で、六代目山口組は締まってきたと思います。今の状態に対する危機感が、ほかの団体とは違う」と話す。

 

 暴力団にとって “厳冬の時代”。はたして、キーマンの次の一手は――。


(週刊FLASH 2019年11月12日号)

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