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ああ梨園妻はつらいよ(1)必要な資質はクラブのママと同じ

社会・政治 投稿日:2016.06.20 07:00FLASH編集部

ああ梨園妻はつらいよ(1)必要な資質はクラブのママと同じ

 

 400年の歴史を誇る日本の伝統芸能である歌舞伎。現在、約300人の歌舞伎役者と30の家で伝統を守っている。この歌舞伎役者の世界は「梨園(りえん)」と呼ばれ、役者の妻は「梨園妻」といわれる。品位と格式を重んじる梨園。そもそも梨園妻になるための条件とは?

 

「梨園の妻になれる者となれない者の境界線は、職業や肩書以上に、贔屓(ひいき)筋の意向が大きい」と話すのは歌舞伎関係者。

 

「歌舞伎役者にとって贔屓の存在は、たんなるファンではなく大切な後援者。しかも、その関係は先代から受け継がれたもので、疎(おろそ)かにできない。妻には知性と品格、健康が求められます」

 

 ある梨園関係者はこう話す。

 

「役者の妻の条件は、若くて妊孕力(にんようりょく)旺盛というのが第一です。あとは和服を着こなせる容姿と腰の低さ。チケットを売る人脈的背景があれば、もっといいということになります。

 

 片岡愛之助さんと結婚した藤原紀香さんの場合、家を守るという大命題を考えると、44歳という年齢が厳しい。お家の格が上の海老蔵さん、菊之助さんだったらダメでしょうね」

 

 海老蔵と結婚直前とまでいわれた米倉涼子(40)はどうだったのか。

 

「市川宗家の跡取り、日本一の大名跡の相手としては厳しい。ブロードウェイで主役デビューを果たした米倉さんですが、レオタード姿で舞台を側転するような人はどうよ、ということ。以前、おつき合いしていたサトエリ(佐藤江梨子)さんも、同じことがいえます」(同前)

 

 知性と品格があり、贔屓筋に受け入れられること。なんとか結婚まで漕ぎ着けても、梨園妻のその後は多難だ。

 

「対外的に求められる資質は、クラブのママと同じ。顔と名前を一致して覚えること、腰が低いことです。ご機嫌を損ねたら、ほかの家に鞍替えされたりしますから。ご贔屓さんや社長さんの秘書の顔と名前も覚えます。頭がよくないと務まらないのが、おかみさん業です」(同前)

 

 一般家庭でも嫁姑問題はあるが、旦那さんの姉妹や叔母、親戚の小姑からの小言が多いのも、梨園の特徴。

 

「重箱の隅を楊子でほじくるような人が、とにかく多い世界。それを聞き流す力のある人、他人の家のことには口を出さない、耐える心がある人が長持ちします。いくら名家に嫁いでも、姑から毎日嫁いびりをされ、離婚した人もいます」(同前)

 

 梨園では「舞台は夫の仕事場、ロビーや客席は妻の仕事場」といわれるが、それは妻が抱える莫大な仕事のごく一部だ。

 

「歌舞伎演目の知識習得は当然。着付け、華道、茶道を嗜み、細やかな季節行事も覚えなければならない」(歌舞伎関係者)

 

 さらに贔屓筋、紹介された初見の方への礼状書きも、梨園妻の大事な仕事。

 

「ハガキにきっちりペン習字で、一字一字、楷書で読みやすく、わかりやすく、しかも“個人個人のお客様のことを覚えていますよ”と伝わるように書きます。 『1日3通がやっと』と、あるおかみさんが言っていました。チケットの手配は番頭さんの仕事ですが、おかみさんがすることも。チケットを売らないと、次にいい役がもらえません」(梨園関係者)

 

(週刊FLASH 2016年5月10・17日号)

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