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ああ梨園妻はつらいよ(2)男の子を産むのが至上命題
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.06.21 13:00 最終更新日:2016.06.21 13:00
「梨園妻のいちばんの使命は、もちろん跡継ぎを産むこと」と梨園関係者は断言する。歌舞伎は世襲だけに、名門の家に嫁いだのなら、男の子を産むのは至上命題だという。
「尾上菊五郎夫人で女優の富司純子さんは、長女の寺島しのぶさんを授かったにもかかわらず、菊之助を授かるまで不妊治 療をしたそうです」(歌舞伎関係者)
無事に男の子を産んでも、それからがまた大変。すぐに英才教育を始めなくてはならない。踊りを二流派以上、三味線、太鼓などの習い事に、母子で向かう。家によって教育方針が違うので、選ぶ学校が変わってくるという。
「昔は、親と同じ学校に行くパターンが多かったのですが、今の30代、40代の親から、変わってきています。たとえば市川染五郎は暁星に通っていましたが、彼は自分の息子を青山学院初等科に通わせています。一方、少しでも早く歌舞伎に集中させたいと思う親は、堀越高校を選びます」(梨園関係者)
困るのは、歌舞伎役者には隠し子騒動がひんぱんに起こることだ。
「貞操観念が低いのは、『役者買い』という言葉があった昔から続いている世界なので、仕方ないことです。親が囲っていた 女性を、息子が死に水を取るまで面倒を見たなんて話すらあります」(梨園関係者)
「浮気も芸の肥やし」というが、妻の本心はけっしてそうではないという。
「自宅では大喧嘩という話をよく聞きます。そういう親を見ている子供は、家庭にほかの女性の匂いを持ち込んじゃいけないと身に染みてわかっている。富司純子さんでさえ昔はやきもちを焼いてました。70歳になった今は、男はそんなもんだぐらいにしか思ってないでしょうが」
華やかでオンナの幸せの最上級に君臨するようでありながら、梨園妻は、じつはドロドロとした人間の情念渦巻く世界に生きているのだ。
(週刊FLASH 2016年5月10・17日号)