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日本からも大量出品…過熱化するアジア美術品オークション社会・政治 投稿日:2020.01.11 11:00

日本からも大量出品…過熱化するアジア美術品オークション

香港のオークション(写真:AFP/アフロ)

 

 海外で、日本の美術、というよりかつて請来した、主に中国の作品がオークションに出品されることが近年目立っている。いつの世も、経済的に力のあるところにお金とモノが流れるという栄枯盛衰の典型で、日本市場は「失われた20年」の通り、停滞中と言える。

 

 きっかけは、10年ほど前に新装オープンした東京青山の根津美術館であろう。

 

 

 2008年5月、クリスティーズ香港が開いた競売で、根津美術館が出品した中国宮廷宝飾時計15点全点が落札され、総額約3600万米ドル(約37億円)という金額となった。予想落札総額の350万~500万米ドルを大幅に上回ったのである。

 

 同館に行くと、2階の展示室には、今でも中国宮廷宝飾時計コレクションがあり、当時は北京の故宮博物院に次ぐ規模だった。同館はそれを元手に有名建築家の手による全面リニューアルを2009年に果たしたのである。

 

 同様なことが続く。

 

 2014年には、元熊本藩主・細川家コレクション「永青文庫」が、所蔵する中国清朝乾隆の「紫壇唐草彫六角高卓」や「御筆秋山亭子」巻など、宮廷旧蔵の家具や書画、陶磁器等計30点の逸品を、サザビーズ香港の秋季オークションに出品したのだ。

 

 セールは、10月8日に香港コンベンション&エキシビションセンターで行われ、予想を上回る総額約22億円で落札され、展示建物の補強や展示室の改装、作品修復などの予算に当てられた。

 

 2016年に、アジア進出30周年を迎えた、サザビーズと並ぶ2大巨頭のクリスティーズ香港が、2018年11月に開催したオークションでは、北宋期の文人・蘇軾(1037~1101年)が描いた水墨画「木石図」が日本で発見され、アジア開催最高落札額の68億円を記録した。

 

 本図は、長さ543センチ、幅27センチの巻物に描かれており、枯れかけた木を右に、奇岩を左に配し、荒海から現れる竜を表現したものだ。蘇軾の水墨画は他に、台湾の故宮が所蔵しているものしか現存しないという稀少品である。

 

 ちなみに、ここで述べた落札額にはオークション会社の手数料も含まれている。買い手は、5万ドルまでは落札額の25%、100万ドルまでは20%、100万ドル超は12%の手数料を払うことが決まっている。

 

 これに加え、出品手数料が1割をベースに、状況に応じて支払われているのだ。

 

 

 以上、白洲信哉氏の新刊『美を見極める力 古美術に学ぶ』(光文社新書)をもとに再構成しました。いまブームの日本美術の目利きになるには?

 

●『美を見極める力』詳細はこちら

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