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きっかけは『海猿』、楽しみは…「海上保安官」の本音トーク

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.01.22 06:00 最終更新日:2020.01.22 06:00

きっかけは『海猿』、楽しみは…「海上保安官」の本音トーク

 

 海上保安大学校や海上保安学校での厳しい訓練を乗り越え、北朝鮮やロシアの不法侵犯に対峙するなど、過酷な任務にあたる「海上保安庁第九管区 海上保安本部(以下・九管)」。九管の海上保安官4人に、職務への思いを本音で語ってもらった。

 

 

Sさん(43、首席航海士)「志望動機は、内陸部の出身で、漠然と海や船に憧れがあったからです」

 

 

Mさん(24、主任航海士)「『尖閣問題』がニュースになっていて、海保が活躍しているのを見て『格好いいな』と思ったのです。あと、私の世代は、ドラマ『海猿』の影響が大きいです」

 

Oさん(31、主計士補)「警察や消防も受けましたが、海の仕事ってどんなものか、挑戦してみたくなりました」

 

Nさん(24、航海士補)「茨城県出身で、東日本大震災や豪雨災害を経験しまして、そのときの海保の方の救助活動を見て憧れました」

 

 九管は日々、危険と隣り合わせである。

 

N「事故や事件など緊急事態が起きるときは、当然、海が荒れていることが多いんですが、そういうときこそ出航しなくてはならないわけです」

 

S「北朝鮮の漁船に、マイクで退去勧告をおこなうにしても、放水銃を使うにしても、できるだけ接近しなければ相手に届かない。当たり前と思っていますが、やはり危険な任務ですね」

 

N「それでも、日ごろから実際の任務を想定した訓練をしているので、訓練したとおりにスムーズにできたときに、やりがいを感じます」

 

O「九管での制圧術の大会に5回出場し、4回優勝、1回準優勝できました。いまは指導的な立場ですが、『さど』がチームとして評価されることが、なにより嬉しいです」

 

M「私の出身地である石川県の漁船が、(新潟港から約500kmにある)大和堆に北朝鮮の船が入り、操業できなくなったことがありました。その大和堆で活動し、地元に貢献できた。嬉しかったですね」

 

S「海保に入って約20年になります。仕事を通じて、いろんなことを経験してきました。指揮する立場になったいま、そんな経験が生きていると思っています。

 

 出航すれば、24時間、海の上。1回4時間の当直を、交代で2回繰り返す。そんな毎日の楽しみは、やはり食事です」

 

O「調理は、私の担当です。今日の朝食は、サンマの焼き魚と生野菜サラダ。ご飯はもちろん、新潟産コシヒカリです」

 

S「年代に合わせてメニューを変えてくれていますが、量は20代向け。私なんか、自制しないと太っちゃいますね」

 

 SさんとOさんは既婚で、子供もいる。入港日の楽しみは、自宅に帰って奥さんの手料理を食べることだという。では、若い独身の2人は?

 

N「私は船に残り、訓練です」

 

M「私ですか? このあと合コンの予定があるんです(笑)」


(週刊FLASH 2019年12月31日号)

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