社会・政治
習近平「空白の7日間」で見えてきたガタガタの権力基盤
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.02.13 06:00 最終更新日:2020.02.13 06:00
《中国の習近平国家主席が倒れ入院した。病状は不明――》
2月某日、永田町関係者の間で、こんな怪情報が流れた。全国紙政治部記者が解説する。
「1月29日から2月4日までの7日間、習主席が、公の場から姿を消していた。いったい何があったのか……」
2月5日になって、習氏が北京でカンボジアのフン・セン首相と会談したと、写真とともに報じられた。心なしか、やつれて見えるが、「倒れた事実は確認していません」(首相官邸関係者)という。
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いま、新型コロナウイルスの災禍に見舞われている中国。対策の指揮を執るのは、中国共産党員9000万人のトップ、通称「チャイナ・セブン」(7人の党政治局常務委員)である。
「この最高指導部内に亀裂が走っている」と指摘するのは、評論家の宮崎正弘氏だ。
「じつはすでに、習氏の権力基盤はガタガタなのです。新型肺炎の拡大は、収束する見通しが立っていません。習氏の責任を問う声が指導部内で噴出し、とても表に出られる状況でないのかもしれません」
もともと、指導部内は派閥抗争の火種を抱えている。
「最側近の栗戦書氏以外、『命がけで習氏を支えよう』という幹部が誰もいない。
李克強氏や汪洋氏、韓正氏は、もともと反習派。しかも、彼らに加えて、汚職摘発担当の趙楽際氏にも習氏との不仲説が流れ、党の重要理論を起草する王滬寧氏も、完全に “日和見” を決め込んでいるんです」(宮崎氏)
「習同志には指導力がない」と突如指弾され、“失脚” させられるシナリオが、静かに描かれ始めた。
【習氏の味方はひとりだけ…「チャイナ・セブン」一覧】
《習派》
●習近平(66)中国共産党総書記、党中央軍事委員会主席、国家主席
●栗戦書(69)全国人民代表大会常務委員長
《反習派》
●李克強(64)国務院総理
●汪洋(64)中国人民政治協商会議主席
●韓正(65)国務院常務副総理
《その他》
●王滬寧(64)党中央書記処常務書記:日和見
●趙楽際(62)党中央規律検査委員会書記:不仲説が
写真・新華社/アフロ
(週刊FLASH 2020年2月25日号)