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アフリカで食料を食べ尽くす「バッタ」昆虫食で対抗できるか
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.02.15 06:00 最終更新日:2022.12.07 19:10
「深刻な危機に直面している」
2月2日、アフリカ東部にあるソマリア政府は、こう声明を出し、国家非常事態を宣言した。
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いま、同国のほか、エチオピアとケニアで、サバクトビバッタが過去最大級の規模で発生し、深刻な食糧不足が懸念されている。ケニアでは、2400平方kmの範囲に及ぶ大群も確認されたという。
歴史上、何度も人類を苦しめてきたバッタ類。一方で、食べることで駆除し、食料とする知恵も生まれた。古くから昆虫食で有名な長野県諏訪市で、ソフトクリームや飴、おやきにイナゴを添えて販売している「諏訪湖観光汽船」の担当者に話を聞いた。
「長野県民にとって昆虫食は、昔から慣れ親しんだ食文化。うちの娘も、『バッタ、美味しい』と言って、喜んで食べていますよ。でも、ソマリアで発生しているバッタが食べられるのかはわかりませんが……」
今回大量発生した「サバクトビバッタ」は、1平方km内の群れに約4000万匹以上おり、1日で約3万5000人ぶんの作物を食べ尽くしているとされる。多すぎて、人間が食べて駆除するのはとても無理だ。
国連食糧農業機関(FAO)によれば、食糧危機に陥りつつあるのは約1200万人。バッタは日々移動しており、被害地域が広がりかねない。人類の知恵は、空前の “蝗害” に打ち勝てるのか――。
写真・ロイター/アフロ
(週刊FLASH 2020年2月25日号)