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ツイッターで対局停止処分「依田紀基九段」が日本棋院に抗議

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.02.24 06:00 最終更新日:2020.02.24 06:00

ツイッターで対局停止処分「依田紀基九段」が日本棋院に抗議

依田九段

 

「今回の処分は、怒りというより、呆れてしまって……。本当に悲しい。僕だけでなく、ファンやスポンサーのことをまったく考えていない対応ですよ」

 

 そう話すのは、通算36期のタイトルを獲得している、囲碁界の大スター・依田紀基九段(54)だ。その依田九段に2月12日、日本棋院から6カ月の対局停止処分が下り、囲碁界が大騒ぎになっている。

 

 

 発端は、2019年6月まで遡る。「小林覚理事長(60)らの一派が、日本棋院の役員人事を牛耳っている」と、依田九段が、みずからのツイッターで暗に批判したのだ。小林氏は、2019年4月に理事長に就任。かつては、依田九段と七大タイトルを争った棋士だ。

 

「あのときのツイッターは、私もやりすぎたと思っています。それで6月26日には、投稿も削除しました。『品性を欠いた』と反省しています」(依田九段、以下同)

 

 だが、6月29日に広島でおこなわれた「フマキラー囲碁マスターズカップ」の準決勝を前に、事態は深刻化した。

 

「まず6月27日の夕方に、小林理事長から僕に電話があり、『広島に行くべきではない』と言われたんです。でも僕は、『広島に行きます』と答えました。だって、棋士としてなんの処分もされていない状態でしたから、大事な対局に行くのは当然のことです」

 

 しかし、小林理事長からの不可解な “説得” は続いた。依田九段が広島に到着した翌日にも、「囲碁マスターズカップ」の協賛社・フマキラーの大下俊明会長を交えた話し合いが設けられたが、小林理事長は「依田九段の対局中止」を一方的に決定したという。

 

「その結果、僕は6月29日の準決勝を不戦敗にさせられました。だけど、正当な処分を何も受けていない僕が、不戦敗になる理由がありません。納得できず、後日、棋院に理由を尋ねると、『依田が会場に定刻どおりに来なかったから』と、おかしなことを言うんです」

 

 さらに7月20日には、小林理事長が同棋戦の、今期での開催終了を発表。その理由についても、「依田九段のツイッターにより大会が傷つけられ、フマキラーがスポンサーから撤退した」と説明していた。

 

 だが、一部ではフマキラー側が「私どもが、あずかり知らないところのトラブルにより、中止になった」と説明しているとも報じられ、混迷をきわめた。

 

「不戦敗の理由を説明されていないし、『囲碁マスターズカップ』の開催終了も、僕のせいにされようとしている。だから、2019年の10月31日に記者会見を開き、棋院に対応を求めました。それなのに何も反応しなかったばかりか、理事会側は突如、『6カ月対局停止処分』を通告してきたんです」(依田九段、以下同)

 

 依田九段は、さらに語気を強めて訴える。

 

「ツイッターについても、棋院はいまだに『謝罪していない』と言うんですが、僕は2019年の7月1日付で、棋院に謝罪文も提出しています。いつまで、そんなことを言うのかと……。信じられませんよ。

 

 弁護士にも、『僕の主張は立証できる』と言われている。僕が嘘をついていたとなったら、土下座して切腹する覚悟です」

 

 本誌が日本棋院に、依田九段を対局停止処分にした理由を質問すると、こう回答があった。

 

「ツイッターなどへの投稿により、当院の秩序を乱し、名誉を損ね、『囲碁マスターズカップ』を終了させた」「外部役員の所属団体に対して、不当な要求をおこない、責任転嫁ともとれる主張を展開したことが、棋士規定に違反した」

 

 だが、併せて尋ねた「囲碁マスターズカップの準決勝で依田九段を不戦敗にした理由」には、回答がなかった。

 

 豪快な言動と人柄で、ファンからは “最後の無頼派棋士” と呼ばれる依田九段。「出る杭は……」ということなのか。


(週刊FLASH 2020年3月3日号)

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