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香港で犬から新型コロナウイルス検出、獣医師の反応は?

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.02.29 22:57 最終更新日:2020.03.09 12:31

香港で犬から新型コロナウイルス検出、獣医師の反応は?

中国では犬もマスク姿(写真:AFP/アフロ)

 

 2月28日、香港当局は、新型コロナウイルスの感染者が飼っていたペットの犬から、ウイルスの弱い陽性反応が出たと発表した。

 

 香港のAFCD(漁農自然護理局)によれば、陽性反応は、犬の鼻と口から検出された。ただ、犬に目立った症状はなく、「ペットが新型コロナウイルスに感染したり、人への感染源になったりする証拠はまだない」としている。

 

 

 東京都獣医師会の理事を務める中川清志獣医師は、「この段階では、慌てることではありません。香港の発表では、犬の鼻と口の粘膜に、たまたま付着した新型コロナウイルスを検出してしまった可能性がある。犬の体内でウイルスが増殖したのか確定されていない以上、“犬も感染する”とは言えません」と語る。

 

 今回、香港の検査では、人間とまったく同じやり方のPCR検査がおこなわれた。中川獣医師は「PCR検査は遺伝子を見るものですから、理論上、犬にも使用できます」と話す。

 

「逆に言えば、今回犬から検出されたのは、人間とまったく同じ形のウイルスだということ。ヒトに蔓延しているウイルスが犬の検体に混入してしまい、それを検出しただけの可能性も高い」(同)

 

 仮に、ウイルスが犬の中で増殖する場合、犬から犬、あるいは犬から人へ移るものなのか。

 

 中川獣医師は「現状、どちらもわかりません。まず、ペットに感染が成立したかどうかの証明は、ペットの体の中に新型コロナウイルスの抗体ができたかどうかで確かめます。しかし、ペットの体の中にはこれまでも普通に存在していたコロナウイルスの抗体がたくさんありますから、これらの中から新型コロナウイルスの抗体だけを検出する検査はまだ確立されておらず、きちんと確かめた研究はないからです」と言う。

 

「ただ、少なくとも日本国内においては、新型コロナウイルスは人から人に移ることしか考えられません。その意味では、飼い主さんたちは、引き続きこまめな手洗い・うがいといった予防を意識してください。

 

 怖いのは、皆が疑心暗鬼となりパニックを起こして、本来なら心配する必要がないのにペットたちを捨てるような行動に出てしまうこと。まずは落ち着いて、自分自身の感染を防ぐ行動を取ってください」(同)

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