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安倍政権のお家芸「官邸主導」その功罪を作家・森功が斬る

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.03.02 06:00 最終更新日:2020.03.02 06:00

安倍政権のお家芸「官邸主導」その功罪を作家・森功が斬る

 

 内閣支持率が急降下中の安倍晋三首相(65)だが、在任期間は憲政史上最長。褒めるところはあるはず――。というわけで、鋭く政権を批判してきたジャーナリストたちに、「あえて首相を褒めてみてください」と依頼した!

 

 今回は、第2次安倍政権発足後、首相官邸内で権勢をふるう “官邸官僚” を追及してきたノンフィクション作家の森功氏(58)だ。

 

 

 2012年に政権に復帰した安倍首相は、民主党政権時に進んだ「官邸主導」の政策決定プロセスを強化。森氏は、「強力な官邸主導は、悪いことばかりではない。それを実現しているのは褒められる」と話す。

 

「権力を官邸に集中することで、『政策決定を即断できる』というメリットがあります。省庁や業界の既得権益を排して、国家の大きな方針などを、速やかに決めることができる。

 

 ただ、権力が官邸に一極集中するなかで、それを検証する仕組みがなおざりにされているのは、よくない。縦割り行政をなくすために、内閣官房に設けられた多くの推進本部も、乱立されすぎて機能していません。

 

 しかもそこに、いわゆる “官邸官僚” たちが、『総理の意向だ』という言い方で、各省庁に圧力をかけている構図があるんです」

 

“官邸官僚” とは、今井尚哉首相補佐官や北村滋国家安全保障局局長など、安倍首相への忠誠心が篤い、“安倍命” の側近官僚たちのことを指す。

 

「官邸や霞が関は、うっかりモノも言えない空気です。実際のところ、政権の看板だった『アベノミクス』は目標値を達成できておらず、対ロシア外交や、安倍首相が旗振り役となった原発輸出も結果を出せていない。

 

 そうした政策の検証が必要なのに、誰も責任を取らない。『いざとなれば、隠してしまえばいい』という姿勢なんです。安倍政権は、悪しき前例を作ってしまった。次の首相には、権力の検証ができる体制作りを期待しています」

 


もりいさお
『週刊新潮』記者などを経て、2003年にフリーに転進。『黒い看護婦』『ヤメ検』など、多数の著作がある

 

(週刊FLASH 2020年3月10日号)

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