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自衛官にニコン社員「ロシアスパイ」に騙されやすい6タイプ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.03.08 06:00 最終更新日:2020.03.08 06:00
1月25日、ソフトバンクのモバイルIT推進本部の元統括部長・荒木豊容疑者(48)が、「不正競争防止法違反」の疑いで、警視庁公安部に逮捕された。
彼の容疑は、在日ロシア通商代表部ナンバー2のアントン・カリーニン代表代理(52)に、社外秘の文書を渡して、見返りに数万円を受け取ったというもの。カリーニンには、SVR(ロシア対外情報庁)に所属するスパイという、もうひとつの顔があった。
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ロシアスパイは、日本の普通のサラリーマンでも食い物にする可能性がある。では、どんなタイプが狙われやすいのか。各国のスパイおよそ100人を取材してきた、国際ジャーナリストの山田敏弘氏が語る。
「スパイは会話のなかから、その人物の落ちるポイント、つまり弱みを聞き出すのです。弱みとは、たとえば借金を抱えていたり、ギャンブル好きだったりなど、【タイプ(1)お金にだらしない】こと。
荒木容疑者は『小遣いが欲しかった』と供述していますが、まさにその弱みを突かれたわけです」
【タイプ(2)会社に不満があるサラリーマン】も狙われやすい。
「給料が安いとか、社内の評価が低いとか、そういう不満を親身になって聞いてやることで、スパイは相手に自分を信用させます」(山田氏、以下同)
ロシアの対日諜報活動は、冷戦時代から歴史が長く、彼らは日本人がどうしたら落ちるかを研究し尽くしている。
「『まさか、この人が騙さないだろう』という性善説や、疑っていても『これ以上、聞くと失礼かな』と思ってしまう人は、利用されますね」
いわば、【タイプ(3)Noと言えない性格】。日本人のひとつの典型だ。一方、【タイプ(4)家族の弱みを握られている】ケースでは、相手がスパイだとわかったとしても、要求を拒めなくなる。
「『子供が難病で、治療費も馬鹿にならない』と、なにげなく漏らしたひと言から、治療費をどんどん渡されて、取り込まれていくケースがありました」
スパイは、機密情報にアクセスできる重要人物には当然、近づきたいと考えている。
「ただし、本当に機密のごく近くにいる重要人物は、なかなか落とせないし、近づくにはリスクもある。そこで、重要人物から、ちょっと離れた人が狙われるんです」
今回、ソフトバンクの宮内謙社長は会見で、荒木容疑者の所属部署が「機密性の高い情報にタッチできる部署ではなかった」と話している。荒木容疑者は部長職だったとはいえ、【タイプ(5)社内で “やや傍流” にいる社員】こそが、狙われやすいということだ。
さらにロシアスパイは、プライドをくすぐる術にも長けている。
「技術や知識に自信がある人で、ついつい、そういう知識をひけらかしたりすると、『すごいですね。もっと教えてください』と頼まれ、言われるがままに情報を提供してしまうケースもあります」
【タイプ(6)情にほだされる一面がある人】が、ハマる落とし穴だ。
こうして見ると、タイプ(1)〜(6)のいずれも、日本のどこにでもいるサラリーマン像ではないか。次のページでは、6つのタイプについて、実際に起った事件を紹介する。