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新型肺炎の感染予防に…「正しい手洗い」をチェッカーで検証
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.03.07 11:00 最終更新日:2020.03.07 11:10
新型肺炎の感染拡大で、店頭ではマスクの品切れが目立っているが、本来、マスクはすでに病気にかかった人が、エチケットのために装着するもの。実際には、感染防止効果はほとんどないと言われている。
実際、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)やWHO(世界保健機関)は、一般人が感染防止のためにマスクを着用することをすすめていない。
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また、英メディアBBCによれば、イギリスのASA(広告基準協議会)が、「新型コロナウイルスの流行をマスクで防ぐ」という広告は、医療現場以外で大きな効果がほとんどないとして、禁止することを発表した。
では、感染予防には何が一番効果的なのか。厚労省が公表している「新型コロナウイルスを防ぐには」という資料では、「まずは手洗いが大切です」とされている。
手洗いすべき場面については、「外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などにこまめに石けんやアルコール消毒液などで手を洗いましょう」と言及されている。
とはいえ、手洗いも正しくおこなわなければ効果は半減。普段、何も意識せず手洗いをしているが、はたして汚れはきちんと落ちているのか。不安を抱いた本誌記者は、手洗い指導に使われる「手洗いチェッカー」と呼ばれる製品で、正しい手洗いができているかチェックすることに。
指導員を務めるサラヤ株式会社食品衛生サポート部の村松寿代さんが、使い方を説明してくれた。
「まず、汚れに見立てた専用のローションを手に塗り込み、普段どおりに手洗いします。その後チェッカーに手をかざすと、取り切れていないローションが青白く光ってきます。つまり、普段の手洗いでどんなところが洗い残されているのか、視覚的にすぐわかるんです」
本誌記者もさっそく体験してみることに。ローションをつけ、まずは自己流で普段の手洗いをしてみた。チェッカーに手をかざすと、想像以上に青白い部分が多い。
手のひらは比較的きれいになっているものの、手首や指と指の間、親指あたりに色残りが目立ってしまった。手の甲はもっとひどく、大部分に色が残っている。どうしても手のひらを重点的に洗ってしまい、手の甲はおろそかになっているようだ。
村松さんは「皆さん見落としがちなのは、手の甲や親指、指と指の間、指の先ですね。あと、利き手の汚れ残りも目立ちます。無意識に利き手で洗おうとするため、利き手の手の甲がおろそかになっているパターンが多いんです」と言う。
その後、実際に正しい手洗いの仕方を教えてもらいながら、再度、手洗いをした。
「手の平を洗うだけで終わってはいけません。手の甲は、もう片方の手の平でもみ洗い。指の間は、両手の指を組んでこすり合わせる。親指は、もう片方の手でぎゅっと握りこみ、ねじるように動かすと洗いやすいです。指先を片方の手の平にこすりつけて洗い、最後に、手首も忘れずに。よくすすいで水気を拭き取ったら完成です」(同)
レクチャー後、再びチェッカーの前に立つ。手をかざすと、関節部分など甘い箇所はあるものの、1回目で青白かった手の甲が格段にきれいになっている。手の平も、ほぼ汚れナシと言っていいレベルだ。
ちなみに、正しい手洗いの方法は、アルコール消毒でも応用できる。
「日常生活を送っていると、指先がウイルスや細菌に触れる確率が高くなります。アルコール消毒のときは、液を直接爪・指先にかけることを意識し、まずは指先から洗ってください。あとの順序は手洗いと同じです。最後は、乾くまですり込んでください。
考え方として、手洗いは、主に物理的な汚れを落とすもの。アルコール消毒は、主に目に見えない細菌やウイルスを殺すものです。理想としては、手洗い→アルコール消毒のセットが、予防には一番効果的といえますね」
新型コロナウイルスだけでなく、あらゆる感染症を防ぐ第一歩が手洗いだ。正しい方法を身につけ、自衛したい。
イラスト提供/サラヤ株式会社