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ベトナム発「手洗いダンス」がアメリカのSNSで大ブレーク
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.03.14 06:00 最終更新日:2020.03.14 06:00
新型肺炎にパンデミックが宣言された。
アメリカでもイベントのキャンセルが相次ぎ、企業は自宅勤務を推奨。各地の学校が授業をオンラインに移行している。大学生は構内や近辺の寮に集団で住むのが一般的だが、その学生たちに寮から出ていくように指示が出始めた。
そんな騒動の最中で、ひたすら言われ続けているのが「手洗い」の励行だ。
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消毒に使うジェル状のハンドサニタイザーは品切れが続き、入手が困難なため、手作りする人が続出している。それにともなうトラブルや訴訟騒ぎも起きている。ウォッカのアルコールは40%で消毒には向かないと、ウォッカメーカーが異例の発表をするほどだ。
感染の広がりが深刻なニューヨーク州では、囚人を使い、州オリジナルのハンドサニタイザーを作るという。サンフランシスコの街中には水と石鹸、ペーパータオルなどを備えた臨時の「手洗いステーション」が設置された。
アメリカでは、推奨されている手洗いは20秒と長い。
専門家たちが「ハッピーバースデーの曲を2回歌うといい」「イギリスの国家を口ずさめ」などと指示しているのを受け、SNSではさまざまな手洗い文化が流行し始めた。
個人や団体がハッピーバースデーに替わるソングリストを公開したり、手洗いの動作を盛り込んだビデオを次々と公開している。
ブラームスの音楽に合わせリズミカルに手洗いする映像、「コロナウイルス」という歌詞に合わせて白衣姿の医療関係者30名ほどが踊る2017年制作のエクアドルのビデオなどが話題になっている。
なかでもヒットしているのが、ベトナム保健省が感染予防のために作成したアニメと、それに合わせた独自のダンス動画だろう。
ダンスはどのSNSでも高いアクセスを記録。UNICEF(ユニセフ)も公式アカウントで紹介したほどだ。動画投稿サイトのTikTokではこの振付を投稿し合うダンスチャレンジが賑っており(ハッシュタグは#ghencovychallenge)、深夜番組では、司会者が大笑いしながら自身も踊ってみせた。
またWHOが推奨している正しい手の洗い方の図に、好きな詩を当てはめていく#WashYourLyricsも話題で、専用のウェブサイトができあがっている。
12コマに分かれた手洗いの図に言葉を当てはめていくのだが、『ボヘミアン・ラプソディ』などの好きな歌詞を入れたり、シェイクスピアのマクベスから有名なセリフを当てはめたりしたものが次々と公開されている。
欧米では握手やハグをすることが多いが、この替わりになる新しい動きもあちこちで提案されている。
プロバスケットボールのNBAは拳どうしを合わせるフィスト・バンプを推奨。拳の代わりに肘どうしをぶつけるエルボー・バンプを推す声も多い。足と足を合わせる挨拶は「Wuhan shake(武漢式の握手)」とも呼ばれている。ほかに、右手を顔の横に上げる、スタートレックのスポック船長がやっていたバルカン式挨拶を提唱する声も根強い。
学生達が自宅学習を始めているなかで、SNSは今後も勢いを増しそうだ。(取材・文/白戸京子)