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元榮太一郎「僕の勝ち方」(3)赤字会社の人心掌握術

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.03.20 16:00 最終更新日:2020.03.20 16:00

●「オフィス見せてください」を避けたい…零細企業の全力採用術

 

 2001年から3年間の勤務弁護士経験を経て、2005年に弁コムを起業した当初から、人事面では苦労が絶えなかった。

 

「弁コムは当時でいう “零細企業” で、まさに吹けば飛ぶような会社でしたから、採用は困難を極めました。うちのサービスをPRする機会という側面もありますから、ひとりあたり2時間ぐらいかけて丁寧に面接したんです。

 

 まずは履歴書を、相手の人生を具体的にイメージできるまで読み込みます。そして面接が始まると、『どこで生まれました?』からスタートして、学生時代の部活やバイト、転職の方は職歴まで、余すことなく聞きます。

 

 それが終わると、会社資料をもとに僕が弁コムのプレゼンをみっちりする。1mmも疑念が残らず即決してもらえるように、Q&Aセッションもたっぷりとります」

 

 ただ、創業当初の弁コムには、“アキレス腱” があった。

 

「『オフィスを見たいんですが』と言われることを、すごく恐れていました。当時の弁コムは、弁コムの赤字の補填役を担っていた、僕が代表弁護士を務める『法律事務所オーセンス』のオフィスに間借りし、“ねこの額” で操業していたからです。

 

 求められれば見せるつもりでしたが、『できれば面接をしているこの会議室で即決してもらいたい』と、弁コムのビジョンや将来性、僕の人となりに集中してもらえるよう、全精力を注ぎました。結果、最初の10人は、オフィスを見たいというリクエストを受けることなく、入社してくれています(笑)」

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