もう一方で気になるのは、「ロックダウンされた状況下で、手に入りづらくなる品物は何か」ということだ。スーパーマーケットチェーン「ライフ」を展開する、ライフコーポレーションに現状を聞いてみた。
「いま売れ筋なのは、乾麺やカップ麺、水など備蓄系の商品ですが、インスタントコーヒーや焼酎などの嗜好品も一緒に売れており、台風前や地震後の買い溜めとは異なる傾向です。家にこもる時間が長くなるからでしょうか」
すでに全国的なロックダウンが実施されているイタリアでは、どんな状況なのか。ミラノ在住のフリーライター、鈴木圭氏(40)が語る。
「緊急の用件と病院に行く以外、外出は原則禁止。犬の散歩ならば外出OKなので、犬のレンタルが流行っています」
意外にも、「生活必需品には困っていない」という。
「外出制限から数日は、買い占めのせいで品薄状態が続きましたが、現在スーパーでは、食料品やお酒、トイレットペーパーなど必要なものは、なんでも売っており、当面の生活には問題ありません。
しかし、それ以外は入手しづらくなっています。たとえば、文房具、おもちゃ、園芸用品、カー用品、キッチン用品などは、店頭に並んでいても値札に『×印』がついていて、買えないようになっているんです。
代わりに、オンラインショップでは注文も可能ですが、注文が殺到して『メンテナンス中』のまま、利用できないショップも多いです」
生活必需品よりも、“趣味の品” が入手できない現象は、東京でも起こりうる話だろう。
最後に、流通経済大学の矢野裕児教授が、意外な盲点を解説してくれた。
「たとえば、食品自体はあっても、包装材が不足して、結果として消費者の手元に届かないというケースも起こりえます。ロックダウン中には、思わぬ品物が欠乏する可能性が常にあるのです」
備えあれば憂いなし。事前に「ロックダウン」中の生活を想定し、冷静でいられるようにしよう。
(週刊FLASH 2020年4月14日号)