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ファンキー末吉「カンボジアではコロナで全風俗店が営業禁止」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.18 06:00 最終更新日:2020.04.18 06:00
世界に拡大する新型コロナ。海外では、どんな暮らしを強いられているのか。カンボジアに滞在する、元「爆風スランプ」のファンキー末吉に、国の政策、外から見た日本の対応について語ってもらった。
世界を股にかけるドラム奏者のファンキー末吉は、日本では八王子に、中国では北京に、そして孤児院のバンドをプロデュースするために、カンボジアのプノンペンにも住まいを持つ。
2020年2月、日本でのツアーを終えたあと、休養のためにプノンペンに飛んだ。
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「中国は封鎖されて入れなくなってしまい、日本は当初、中国に次ぐ “第2の感染国” になっており、帰るに帰れず……。現在の状況では、カンボジアに滞在するしかありません。
『カンボジア正月(2020年は4月13日~16日)』は中止され、州間、郡間の移動が禁止されましたが、現時点では、自由に外を歩けるし、物資などの不足もありません。
ベトナム国境の物流を封鎖してしまったので、輸出していたマンゴーの価格が暴落して、国内で安く売られています」
同国の新規感染者数は、多くても1日ひと桁台だが、コロナに対する危機意識は高い。
「すでにマッサージ・スパなどは全面営業禁止、人数を問わず、人が集ういかなる運動やスポーツも禁止。行きつけの日本料理店は、デリバリー専門になりました。密閉空間で大勢の人と接することは、めったにありません。
1カ月ほど前のことですが、新規感染者数は1日数人でも、『ガールズバーで感染者が出た』という噂が流れると、その翌日にはガールズバーなど、すべての風俗店の営業は休止になっています」
コロナの影響は、もちろん音楽活動にもおよぶ。
「中国のバンドで、春と秋に約100本の全中国ツアーを予定していましたが、キャンセルになりました。3月・4月の日本でのライブも中止です」
カンボジアには、日本の国民健康保険のような医療制度がないため、通常は市販の薬に頼るしかないそうだ。
「庶民は、病院に行くお金を持っていません。ですが政府は、『外国人を含むコロナ感染者の治療を無償にする』と発表しました(日本も原則公費負担)」
日本のコロナ対策は、どんなふうに見えるのだろうか?
「日本より感染者が少ないカンボジアでさえ、ここまで規制している。手遅れにならないうちに、思い切った手を打ってほしいですね。
また、いくつものライブハウスが倒産の危機にあり、多くのミュージシャンが路頭に迷っています。彼ら(私を含む)への補償や援助を、ぜひ、実現してもらいたいですね」
※取材後の4月10日、東京都で「休業要請」が出された
ふぁんきーすえよし
1959年生まれ 香川県出身 ロックバンド「爆風スランプ」のドラマー。1988年、作曲を担当したシングル『Runner』が大ヒット。1995年より、北京にて現地のアーティストのプロデューサー、スタジオミュージシャンとして活動中
(週刊FLASH 2020年4月28日号)