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夏のボーナス主要14業種「いくら下がるか予想もつかず…」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.18 06:00 最終更新日:2020.04.18 06:00

夏のボーナス主要14業種「いくら下がるか予想もつかず…」

写真:AC

 

 新型コロナウイルスの感染拡大による経済への打撃は、いっこうに見通しが立たない。我々の夏のボーナスは、いったいどうなるのか。労働組合を総当たり取材すると、暗い未来が浮かび上がった。

 

 コロナ問題が深刻化する前の3月11日に、「2019年よりボーナス支給額は微減」で、早々と妥結していたのは自動車業界。しかし、先行き不透明感が、すでに影を落としている。

 

 

「トヨタが、20113年以来7年ぶりとなるベアゼロ。一時金(ボーナス)については、トヨタと日産が満額回答だったが、ほか6社は、要求水準には達しなかった」(経済部記者)

 

 一方で、持ちこたえている業種も。外出自粛などの影響を比較的受けにくい業界だ。まずは、建設・交通・運輸業界の労組である「建交労」の担当者はこう語る。

 

「うちは、トラック運転手がメインの労組。通常どおり仕事をしていますから、一時金も例年どおり要求する予定です」

 

 福祉・保育業界も、需要は高止まりしている。

 

「他業種に比べて、(一時金について)直接的な影響は考えにくい。ただ、感染症対策を求められており、今後の人材確保は厳しい」(福祉保育労)

 

 日本郵政グループも、前年並みのボーナスを確保した。

 

「夏冬の一時金はすでに妥結し、夏は2019年並みの2.15カ月です。コロナの影響の度合いは部署によって違ってきますので……」(郵政ユニオン)

 

 いずれも恵まれているケースだが、人事ジャーナリストの溝上憲文氏は、こう警告する。

 

「すでに妥結していても、コロナの影響が長引くと、“ボーナスなど払えない” という話になり、今後、一時金の額が減らされる可能性もある。春に決めた額が出たら御の字。減額は、リーマン・ショック後にも見られた現象です。

 

 そうなると、労使間の交渉のテーマが、もはや賃上げではなく、『雇用の維持』にシフトしていく。リストラを回避するための賃下げも、あり得るのです」

 

 ほかの業界は、どこもかしこも崖っぷちだ。全労連春闘共闘委員会の担当者は語る。

 

「うちに加入しているのは、中小企業の労組が圧倒的に多いんです。もともと消費増税に喘いでいたところに、コロナが重なった。時がたつほどコロナの影響が深くなるので、今年はできるだけ早く決着させようと、交渉を急いでいます」  

 

 和装産業の職人が多く加入する繊維産労のように「もともと一時金はないが、消費増税で消費が落ち込んでいる」という業種もあり、コロナ以前から経済情勢は厳しく、それに拍車がかかっていることがうかがえる。

 

 JRグループでも、すでに妥結しているJR東海が2.95カ月(2019年実績は3.05カ月)、JR九州は2.48カ月(2019年実績は2.56カ月)と、減少傾向だという。

 

「JR東日本・北海道は、これから一時金の交渉が始まります。乗客数が激減しているなか、厳しい数字になりそうです」(JR連合)

 

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