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夏のボーナス主要14業種「いくら下がるか予想もつかず…」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.18 06:00 最終更新日:2020.04.18 06:00

 

 生協の労組である「生協労連」の担当者も、不安を隠せない。

 

「宅配事業は大幅に伸びているのですが、欠品による返金も多く、利益が増えているのかは、まだ不透明です。

 

 一方、大学生協は、せっかくの書き入れ時に大学が完全に閉鎖されており、大赤字。経営側も見通しが立たないため、交渉中の一時金についても回答が遅れています」

 

 製造業・情報通信業の労組JMITUは、「製造業企業が部材を調達する機会が減ったため、下請けの企業は厳しい状況。一時金の交渉もこれからです」。

 

 金融労連も、「マイナス金利の影響があるところにコロナ。先が本当に見通せない。例年、夏の一時金は1.5~2カ月といったところだが今年はどうなるか……」。

 

 看護師・医療事務職などが加入する日本医労連からは、困惑の声が上がる

 

「コロナへの院内感染を恐れて患者さんが受診を抑制したり、感染者が出て病院が閉鎖されるというケースが増えるなか、一時金は見通しが立たない」

 

 航空産業関連の労組である航空連合は、「会社自体が業績を見通せない状況なので、ボーナスについてもまったくわからない」と、いくら下がるのか予想もできないという。

 

 タクシー業の労組・自交総連は、とくに深刻だ。

 

「この業界は、一時金がもともとないが、3月以降、売り上げがほぼ半減している。ほとんどが歩合給なので、給料も半減ということ。最低賃金を下回ると、会社が補塡しなければならないが、補塡しきれないケースも出てくる」

 

 一方、テレビ業界はワイドショーの視聴率が上昇して、さぞホクホク、と思いきや……。

 

「CM収入の減少を補うために、イベントにも力を入れていましたが、それも軒並み中止・延期で、業績は厳しい。春闘でも回答を待たされたあげく、“マイナス回答” が続出しています」(民放労連)

 

“安定” が売り物の公務員も、どうやら影響は不可避だ。

 

「国家公務員の一時金は、民間と比較しながら、人事院が決定します。民間が厳しければ、こちらも同様。2020年はマイナスの方向になるのでは、と思っています」(国公労連)

 

 教職員で組織される「全教」の担当者は怒りを滲ませる。

 

「『こういう時期だから我慢しろ』ではいけない。賃金を減らさないための財政出動も必要では、と訴えるつもりです」

 

 ウイルスは見境なく、家計を食い荒らす。


(週刊FLASH 2020年4月28日号)

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