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『報ステ』崩壊寸前…コロナ禍でテレビ界を襲う「5月危機」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.21 06:00 最終更新日:2020.04.21 06:00

『報ステ』崩壊寸前…コロナ禍でテレビ界を襲う「5月危機」

東京・六本木ヒルズにあるテレビ朝日本社。4月17日から3日間かけて、社屋全体を消毒した(写真:AC)

 

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、報道番組だけでなく、ドラマ・バラエティにもおよび、収録の休止が相次いでいる。そんななか、日本テレビ系で4月11日に初回が放送されたドラマが、11%の好視聴率を記録した。だが、関係者の表情は暗い。

 

 なぜなら、その作品は、本来放送予定だった新ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』ではなく、15年前のドラマ『野ブタ。をプロデュース』の “再放送” だったからだ。

 

「正確には、“再放送” ではなく、『未満警察』のPR映像を加えて再編集した “特別編” です。たんなる再放送をすると、『なぜ過去のものを放送しているだけなのに、カネを払わされるんだ』とCMスポンサーからクレームが入るので、新たにナレーションを入れたり、必ず手を加えるのです。

 

 さらに、出演者や脚本家などから再放送の許諾を文書で取る必要もあり、作業もかなり大変。また、過去の作品が数字を稼ぐと、いまの自分たちの価値観を否定された気分になりますからね……」(民放ドラマ関係者)

 

 バラエティ番組も制作が止まっている。

 

「3月に入ってからお店ロケなどで、店側から『撮影をした結果、コロナ感染者が出た場合は、責任を取ってもらいます』と一筆求められた番組があったりと、ロケ撮影ができなくなってきました。感染の拡大で、スタジオ撮影もストップ状態です。

 

 ほとんどの番組が過去のVTRを使い、総集編を制作して乗り切っています。ただ、このまま収録が再開されないと、GW明けには、“在庫” が尽きる可能性があります」(テレビ局関係者)

 

 放送する番組がなくなるーーまさに緊急事態だが、ある番組制作会社の社長は「体力があるキー局は、まだ全然マシ。我々は、もう首を吊るしか……」と頭を抱える。

 

「5月6日を迎えても緊急事態宣言が解除されず、収録が再開できなければ、ウチは終わりです。収録がなければ、制作会社には、お金が支払われません。5月以降、資金繰りが悪化して倒産する番組制作会社が増えると思います。

 

 制作会社だけでなく、地方のテレビ局も、経営が危うくなる可能性があります。生き残っていけるのはキー局か、在阪、福岡や札幌などの大都市の局だけです」

 

 テレビ界を激変させる危機は、すぐそこまで迫っている。

 

(週刊FLASH 2020年5月5日号)

 

 

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