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4カ月で120試合…プロ野球、過密日程がきつすぎる!

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.10 06:00 最終更新日:2020.06.10 06:00

 

(3)「短期決戦」仕様へバント、進塁打……

 

「延長なし」など、変更点が多くなると予想される今季は「野球自体の戦術も変わる」と、岩本勉氏(49)は指摘する。

 

「先手必勝。とくに先制点が大事です。初回からバントで送るなど、スモールベースボールになっていくと思う。投手起用にしても、メジャーで流行したオープナー(リリーフを短いイニングで先発起用)が、多く見られるのでは」

 

 捕手出身の達川光男氏(64)は、「連敗したら捕手を休ませるといった、目先を変える采配も重要でしょう」と話す。

 

 また、多くの選手が長期間、実戦を離れていたため、「開幕序盤は投手が有利」との見方だ。

 

「打者は、目を慣らしていくしかない。今から調整しても限界があるし、『今年はこのメンバーでいく!』と監督が強い姿勢を見せ、たとえ主軸打者が不調でも、使い続ける勇気が必要でしょう」(岡田氏)

 

 一方で、江本孟紀氏(72)は、岡田氏とは逆の意見だ。

 

「ベンチに必要なのは、短期決戦的な発想ですよ。投手交代、代打、進塁打、攻めの仕掛け……。今季は、どれだけ監督が早く動けるかにかかっている。選手を見極める目が必要。

 

 主力といえども、ダメならスパッと切る必要があります。『調子が戻るまでは』と、悠長に構えている時間はありません」

 

 また、野村氏が「いちばん大きく変わるでしょうね」と語るのは、タイトル争いだ。

 

「本塁打数、打点、勝ち星は伸びない。12勝程度で最多勝、30本未満の本塁打王もあり得る。逆によくなるのが、防御率と打率。初の4割打者誕生も、夢ではないかもしれません」

 

 ただ、ファンあってのプロ野球で、「心配な点もある」と語るのは、里崎智也氏(44)だ。

 

「CSがなくなるかもしれないでしょ。今季は過密日程で、AクラスとBクラスの差が、早い段階でつく可能性がある。そうなると、8月の終わりには『もういいや』と、上位を諦めるチームが出てくるのではないか。

 

 ベテランやタイトル争いに加わっていない選手は、『休んで若手にまかせようかな』と思ってしまうでしょう。若手にはチャンスですが、ファンにはいいことではない」

 

(4)気になるカネ問題……OBの意見は?

 

 メジャーリーグでは試合減に合わせて、選手の年俸を大幅カットする動きもある。だが日本では、選手と球団が結ぶ統一契約書に「試合減で年俸カット」という条項はない。

 

 ただ、評論家たちに聞くと、「世間がコロナ禍で痛みを感じていることや、無観客や試合数が減ったぶんだけ球団の収入が減ることを考えれば、『年俸を下げたい』と球団が提案しても仕方ない」という意見が大多数を占めた。ただひとり、江本氏を除いてだが――。

 

「球団には、『カネの話は、セコいことを言うな!』と言いたいですね。ここ何年か、ほとんどの球団が『黒字になった』と自慢していた。『そんなに儲かっているなら、今年もちゃんと出せるだろ』ということですよ(笑)」

 

 オフシーズンまで波乱待ったなし!

 

(週刊FLASH 2020年6月23・30日号)

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