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コロナ引退危機から逆転…ラグビー高校生を救った「PR動画」

スポーツ 投稿日:2020.07.06 06:00FLASH編集部

コロナ引退危機から逆転…ラグビー高校生を救った「PR動画」

群馬県桐生第一高校ラグビー部の横田善くん(写真・本人提供)

 

 新型コロナウイルスの上陸から約半年、いまも多くの学生スポーツは、大会中止・延期に追い込まれたままだ。

 

 2019年のW杯で日本中を沸かせたラグビー界でも、スポーツ推薦での進学を考えていた高校生たちが、“売り込み” の場を失った。彼らをスカウトする大学側からも、「このままじゃ高校生たちを視察できない」との嘆きが出た。

 

 

 この状況を打開したのが、元日本代表の野澤武史氏(41)が発案したSNS上のアクション「#ラグビーを止めるな2020」だ。

 

「高校生たちを助けたい、という気持ちはありましたが、自分には具体案がなかった。そんなとき、野澤さんから話があり、すぐに賛同したんです」

 

 そう話すのは、2019年にドラマ『ノーサイド・ゲーム』への出演で注目を集めた、元日本代表主将・廣瀬俊朗氏(38)だ。

 

 呼びかけを受けて高校生たちがSNS上に、「#ラグビーを〜」のタグを用いて、続々と自身のプレー動画をアップした。廣瀬氏も動画をシェアしたり、コメントをつけ、高校生たちの自己PR動画が関係者の目に留まるよう尽力。

 

「すぐ効果が出て、多くの高校生に、動画を見た大学側から声がかかっていると聞いています。

 

 僕も動画をシェアした横田くんとは、以前に少し面識がありましたが、おとなしい印象だったんです。でも、動画ではボールを持つと豹変したようなプレーを見せていて……」

 

 廣瀬氏が「横田くん」と語るのは、群馬県桐生第一高校ラグビー部の横田善くん(3年・フルバック)のこと。彼こそ、まさしく「#ラグビーを〜」で救われたひとりだ。横田くん本人が、心境を明かしてくれた。

 

「2020年1月に怪我をしてしまい、さらにコロナの影響でまったく試合ができませんでした。大学進学は諦めていて、家族とも『卒業後はラグビーをやめて就職するか、専門学校』と話していました。

 

 そんなとき、動画をきっかけに、大学から声をかけていただいた。志半ばで断念すると思っていた僕には、感謝しかありません」

 

 廣瀬氏は、横田くんのステップを絶賛。そのステップは、元ラガーマンの父と「裏庭の切り株を相手に何度も練習して作り上げました」(横田くん)という。

 

 同校ラグビー部には、横田くん含め4人にオファーがあった。霜村誠一監督(38)も嬉しそうに、こう話す。

 

「これまでと違った形ですが、大学側も地方で “眠っている才能” を見つけられます。ラグビー界の発展に繋がっていると思います」

 

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