「オフのあいだ、青木翔コーチとスイングの改造に取り組んでいた。中継を見た限りでは、スイングを大きくいじってきた印象を受けました。パッティングも、かなりスタンスが狭くなっていた」(ゴルフ関係者)
今オフ中、そして新型コロナウイルスの影響でツアー開幕が延期されたあいだに、渋野日向子(21)は “変化” にトライした。それは冒頭のスイング改造に加えて、もうひとつある。LPGA関係者が語る。
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「ツアー活動が再開され始めたころ、ひとりの後ろ姿を見て『この選手は誰だろう……?』と思ったんです。じつは、それが渋野でした。
まるでボルダリングの選手のように、肩から背中にかけて上半身全体の筋肉が盛り上がっていました。当然、バスト周辺も2019年よりもピチッと張りを感じる大きさに成長していましたね」
じつは2019年末から渋野は、新たに契約した斎藤大介トレーナーと肉体改造に着手。
「1回のトレーニングは約90分。重たいものは使わず、瞬発系の動きやバランス重視の内容だそうですが、それでも、彼女が『今までで、いちばん激しい』と言うほど。本人は、『体重が3~4kg増え、飛距離も10ヤードアップした』と胸を張っていました」(専門誌記者)
だが、開幕戦になった「アース・モンダミンカップ」では、まさかの予選落ち。変化が結果に結びついていない。
「体重が増えれば、たしかにパワーはアップしますが、半面、アプローチなどの感覚は鈍くなります。
もともと渋野はアプローチが課題。パワーがついても、繊細さが要求されるアプローチにマイナス効果なら、元も子もない。肉体改造でスイングに悪影響が出た選手はこれまでも大勢いた。復活できないケースも多いんです」
前出のゴルフ関係者もそう話すなど、ゴルファーの筋力強化は、批判的な声は多い。一方で、あるゴルフ記者は「短絡的な指摘」と反論する。
「目標の東京五輪出場権を得るためには、米国ツアーでランキングポイントを稼ぐ必要があると、渋野もわかっていました。距離の長い米国のコースを意識し、『これまでどおりの体では海外での活躍が頭打ちになる』と考えたんです。
2019年は全英女子オープンも、“日本的なコース” だったので対応できました。ですが、8月開催予定の全英女子は海風がとても強い “リンクスコース” が舞台。そこで戦うには、飛距離とともに、風に負けない強いショットを打つことが必要。
いまの渋野の上半身に加えて、下半身にもバランスよく筋力がつけば、問題ない。全英女子を迎える1カ月半後には、この肉体改造が、必ず結果に繋がると思います」
あの名将・野村克也氏は生前、本誌インタビューで、何度もこの金言を残してくれた。
「俺が『こいつ、ようなったなあ』と言うだろ、あれは『こいつ、変わったなあ』と言っているのと同じ。進歩とは、勇気を持って変わることだよ」
競技は違えど、シブコの試みに天国から喜んでいるかもしれない。
写真・アフロスポーツ
(週刊FLASH 2020年7月21日号)