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内村航平「お祝いメール減少」を打破した「リオ五輪」金メダルスポーツ 2016.08.12

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写真クレジット:田村翔/アフロスポーツ

 

「航平の最近の悩み? じつは、勝って当たり前と思われているらしく、大きな大会で優勝しても、祝福のメールが来ないらしいんです。『寂しいなあ。当たり前って怖いよね』と嘆いていました。
 だから、リオ五輪の団体で金を獲ったら、お祝いのメールがたくさんもらえるだろうなって(笑)」

 

 そう語るのは、昨季引退した植松鉱治氏(29)。植松氏の鉄棒の実力は世界有数で、とくに華麗な離れ技は内村も憧れていた。しかも、2008年の全日本学生選手権の個人総合では、最後に内村航平(27)に土をつけた男である。以降、内村の個人総合の連勝記録は、リオ五輪までで37にも伸びている。

 

 だが、「絶対王者」にして唯一、手にしていなかったのが五輪団体金。大会前から内村は「リオでは絶対に団体で金」と強調してきた。なぜ、そこまで団体にこだわるのか。植松氏が続ける。

 

「北京、ロンドン(ともに2位)と五輪でチャンスを逃したことが理由でしょうが、ただそれ以上に、団体は自分一人の力では獲れないということ。チーム一丸となって、喜びを分かち合いたかったのでしょう。

 

 だからこそ、自分は世界一でいつづけなければいけない。航平は言葉より背中で見せるタイプ。みんなが自分に近づいてきたら、勝手に世界一は獲れると。それは、日々の練習でも感じられました」

 

 団体予選で4位と出遅れ、決勝ではこれまでのように鉄棒で終わるという演技順ではなかった。序盤ロシアが走り、中国、イギリスの追い上げもあった。金の行方は最後の最後までわからなかった。それでも内村は背中で語りつづけ、チームを鼓舞しつづけた。

 

「航平は若いころからプレッシャーに強く、究極のマイペース。なぜ強いかといえば、試合モードに入ると、すべてをシャットアウトして集中することができるから。人は観客の声援など雑音を気にするし、ひとつ聞こえてしまうとさらにもうひとつ、というところがある。でも、航平はそれを意図的に消し去る能力がある。そこがすごいところ。

 

 それといつも感心するのが、誰と会ってもまったく変わらないということ。たとえば僕と会うのと、時の総理と会うのも一緒(笑)。まったく動じないし、パニクっているところを見たことがない。そこも、強さの秘訣だと思います。

 

 競技を離れれば27歳の普通の青年、2人の娘を可愛がるよきパパなんですが、そのギャップにいつも驚かされます」

 

 また、練習量は「世界一」だと植松氏は断言する。

 

「それを可能にしているのが、怪我を最小限に抑えられる能力です。たとえば右肩を怪我したとする。普通は休むわけですが、驚いたことに、航平は怪我した右肩の近くの筋肉をなんなく鍛えることができるのです。だから怪我をしたとしても、肉体が鈍(なま)ることがないし、長期離脱もないわけです」

 

 どうしても欲しかったタイトル。金メダルをかけられた瞬間、内村は思わず「重っ!」と声を発した――。

(週刊FLASH 2016年8月30日号)

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