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女子ゴルフ笹生優花「強さの理由はT・ウッズ級のパッティング」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.22 11:00 最終更新日:2020.09.22 11:00
女子プロゴルフツアー「NEC軽井沢72」「ニトリレディス」と2戦連続で優勝した笹生優花。
今季開幕戦で5位タイだったので、賞金は3戦合計で5904万円に。国内女子ツアーで、過去最速の賞金5000万円突破は、申ジエと畑岡奈紗の8戦目。大幅に記録を更新する “新星” の誕生である。
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「彼女が最初に話題になったのは、昨年6月の『サントリーレディース』で、最終日に63のスコアでまわってローアマを獲得したとき(7位タイ)。ただ、そのときは『ユウカ・サソウ』という名前で出場していたので、外国の有望な選手だなっていうイメージでしたね。日本語もまだ片言だった」と話すのはゴルフ担当記者。
フィリピン育ちの笹生は “女ウッズ”と呼ばれ、ドライバーの飛距離は250~260ヤード。「NEC軽井沢」では、280ヤードも飛ばしているホールもあり、飛距離は世界でもトップクラスと言っていい。美しいフォームから繰り出されるドライバーが彼女の持ち味だと言われているが「彼女の本当の強さはそこじゃない」とは前出のゴルフ担当記者だ。
「もちろん、ドライバーは人並み以上に飛ぶが、『ニトリ』では結構曲げていた。でも、そのあとのリカバリーが素晴らしくて、寄せとパットがとにかくうまいんです。
ウッズっぽいと言うなら、転がりの良いパッティングのほうです。弱いかな……と思うと最後に伸びる、絶妙な距離感と読みです。1勝めは “猛打” での優勝、2勝めは “小技” での優勝だと思いますね」
プレーのことは多く報道されているが、リモート取材が多いため、彼女の “人となり” があまり伝わってこない。飛距離は男子プロ並とはいえ、まだ19歳の女性である。
「性格は天真爛漫ですね。日本語はちゃんと話せるが、100%の日本語じゃないから、そこがおもしろいというかかわいいというか。イ・ボミが来日したころのような感じに似ています。それがすごく無垢な感じがするんですよ(笑)。
なんでも素直にしゃべってくれて、『ニトリ』の優勝後は、『お祝いにタラバガニをごちそうになりました』と話していました。そんなところも好感が持てるし愛想もいいから、マスコミ受けは非常にいい」(前出・ゴルフ担当記者)。
さらにこんな話も。「『ニトリ』の優勝後のインタビューで『夢は世界一になること』と話していたが、2週連続優勝をしても、まったく浮かれたところがないし、逆に優勝を引きずらない。目標に向かって、次の試合でやるべきことをやるだけと、非常にしっかりした考えを持っていて、地に足がついているタイプ。
19歳にしてはゴルフIQが高い。もしゴルフの級があれば有段者だと思いますよ(笑)」
今季は「黄金世代」「ミレニアム世代」が注目されていたが、いまの勢いでは笹生が抜けている。
「今季は優勝の常連である韓国勢のアン・ソンジュ、申ジエがツアーに出場できていないこともあり、“その枠” が空いている。パッティングのうまさがいつまで続くかにもよるが、あと2勝、3勝はするでしょう」(前出・ゴルフ担当記者)。
今期の女子ゴルフは “女ウッズ” が中心になりそうだ。