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沢村拓一が電撃トレード! 巨人は「ドラフト1位」に冷たいのか
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.22 20:00 最終更新日:2020.09.22 20:00
9月7日、香月一也選手(24)とのトレードで、巨人・沢村拓一選手(32)がロッテへ移籍した。
このトレードが発表されて、「まさか!」と思ったファンも多いのではないか。何しろ沢村選手は、原辰徳監督(62)が熱望して、2010年にドラフト1位で獲得した選手。球界で「ドラ1」は特別な存在であり、しかも巨人となればなおさらで、その選手をトレードに出すとは思わなかったはずだ。
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しかし、巨人を長年取材する担当記者は、「さもありなん」と言う。
「ドラフト制度が始まった1965年から、沢村選手が入団した2010年まで、自由枠・希望枠・高校生・大学生・社会人枠を含め、巨人のドラ1は60人います。そのうち、1973年に入団を拒否した小林秀一氏を除き、59人が入団しました。
しかし、現時点で在籍中の選手を含めても、現役生活を巨人でまっとうできた選手は、半分以下の29人しかいないんです。それ以外は、すべて他球団に出されているということ。『巨人一筋』というのは、ドラ1の選手でも難しいんです」
1993年にドラ1で入団した三野勝大氏(49)は、巨人で選手生活をまっとうすることの難しさを、かつて本誌でこう語っている。
「プロ入りの際のプレッシャーは、当然ありました。とくに巨人のドラフト1位というと、違った目で見られていると感じていましたから。結果を残さないと、獲ってくれたスカウトにも申し訳ないし、応援してくれている皆さんの期待にもこたえなければいけません」
三野氏は、契約金1億5000万円・年俸1200万円という破格の好条件で入団した。
「当時のドラ1でも、最高条件でしたね。周囲を見ると、ドラフト5位などの選手と比べて、明らかにチャンスを多くもらえました。球団としては、高いお金を払っているわけですから、活躍してもらわないと困るということでしょう」(三野氏・以下同)
しかし、周囲の期待とは裏腹に、巨人では1勝もできず、横浜にトレードされた。
「はっきり言えば、僕の実力不足でした。怪我もありましたが、みんなそれを乗り越えて活躍しているわけですから、僕だけがうまくいかなかった理由にはなりませんよね」
三野氏は現在、現役時代に経験した自身の怪我の治療を生かし、鍼灸師として活躍している。なぜ、巨人はこれほどドラ1選手に厳しいのか。前出の巨人担当記者が語る。
「ドラ1だろうが、その後、巨人で実績を残していようが、力が落ちれば、あっさりとトレードするということです。巨人といえば、FAで獲得した選手をもとに強くなっているというイメージがありますが、その一方、こうした厳しいトレードを繰り返して新陳代謝をおこなっていることも、強さの秘密なのです」
ただし、出された選手たちも黙ってはいない。沢村選手はロッテ移籍後、“雄叫び投法” ですぐさまファンの心をつかんでいる。巨人がトレードを後悔するような活躍を、期待したいものだ。