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元ロッテのセーブ王・小林雅英が「澤村拓一よ、抑えにこだわるな」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.24 16:00 最終更新日:2020.09.24 16:00
延長10回から登板した9月20日、ロッテ移籍後の初セーブをあげた澤村拓一(32)。だが、「澤村君には、抑えを任せるべきではないと思います」と語る人物が……。それが、2005年にセーブ王に輝き、ロッテ「日本一」の胴上げ投手となった小林雅英氏(46)だ。
“電撃トレード” でロッテに加入した澤村だが、巨人時代の2016年には、37セーブでセーブ王にも輝いたこともある。だが、ロッテ在籍時代に「幕張の防波堤」の異名を持ち、クローザーとして球団最多の227セーブを積み重ねた小林氏は、こう語る。
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「澤村君は、今のロッテにいないタイプの投手で、今回のトレードは、チームに対しても大きなプラスであることは間違いありません。しかし、彼のようなストレート主体の投手は、力が入る場面で、ボール球が続く可能性が高くなってしまいます。だからこそ私は、澤村君に6回・7回で投げてほしいと思うんです」
実際、9月20日の登板も、2アウトから3四球を出して満塁に。最後の打者をセカンドゴロに抑えて、辛くもセーブを記録した。
「試合後半になるにつれて、ゲームの行方が決まってくるものです。僕の経験からも、8回・9回の1点も許せない状態で満塁を迎えるのは、ストレスが大きい。
一方、6回・7回からリリーフするのであれば、『まだ2~3イニングある』と、投手は気持ちにゆとりを持てる。そういった場面のほうが、ストレートが主体である澤村君のピッチングには、あっていると思います」
2020年のシーズン、ロッテは首位・ソフトバンクを僅差で追いかけて、2位につけている(9月25日現在)。小林氏は、井口資仁監督の1年めだった2018年シーズンに、一軍投手コーチを務めていた。
「この年、井口監督は選手を引退した翌年に、いきなり監督になった状況でした。そのため、選手時代そのままの “感覚” や “野球脳” に頼った采配でした。
しかし今シーズンは、走者が出たら確実に送り、ホームに返す野球ができています。現役時代から秀でていた “感覚” や “野球脳” を、監督目線のものにまでアップデートできているように感じます」(小林氏)
最後に、小林氏にロッテ優勝のカギを尋ねると、「120試合の短縮シーズンになっていることは、毎年のように夏以降に低迷するロッテには、非常に追い風です」とのこと。
2005年・2010年と日本一に輝き、2015年も3位ながらCSファイナルまで進出したロッテ。2020年は、5年ぶりの「ゴールデンイヤー」に当たっている。澤村の貢献がチーム優勝のカギになることは、いうまでもない。