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新大関・正代「いちばん会いたい人は…コスプレイヤーえなこさん」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.10.08 06:00 最終更新日:2020.10.08 06:00
大相撲九月場所で涙の初優勝を果たし、大関に昇進した正代直也(28)。9月30日、大関昇進の伝達式では、「至誠一貫」の口上を述べ、躍進を誓った。いま、角界で最も注目を集めている正代だが、本誌は早くから、その素質とキャラクターに注目。取材を重ねてきた。
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最初のインタビューは、十両優勝を飾り新入幕を決めた直後の2015年12月。そのときに明かしたのが、今ではすっかり有名になった「おばあちゃんは正代正代」「石川さゆりは親戚」という鉄板ネタ。
東京農業大学2年時に、学生横綱となった正代。だが、幕下15枚目格付出という優遇措置を選ばずに、大学卒業を待って、前相撲から角界入り。その理由を、こう語った。
「あのとき学生選抜で個人優勝はしましたが、団体優勝はできなかったですから。わざわざ熊本まで来て大学に誘ってくれた監督がいるのに、そんなこと(中退して角界入り)はできないですよ。
むしろ、大学で4年間やれてよかった。教員免許も取れましたからね。学校の先生になるという道もあったんですが、『自分がどこまでやれるか試してみたい』という気持ちが強くなってプロ入りを決めました」
新入幕の抱負を聞くと、控えめにこう答えた。
「まだ幕内で取ってないのに大きなことなんて、とても言えないです。『ネガティブ』とか言われますけど、とくに対戦したい相手とかもないんですよ、本当に。まずは、三役に上がれるよう頑張ります」
十両昇進会見で「誰とも当たりたくない」と発言、“超ネガティブ力士” といわれた正代だが、その素顔は、実直かつユーモアに溢れている。
母校の前で名物 “大根踊り” を披露した冒頭の写真は、この最初の取材で撮影したもの。リクエストに、「あれって応援団がやるものなんで、やったことないし……」と言いつつも、照れながらやってくれた正代。
次の取材は、2018年1月。嘉風(現・中村親方)、御嶽海との「大卒力士座談会」でのこと。ここでも、正代らしいボヤキが場を和ませた。
「自分と(同じ時津風部屋の)小柳(豊山)が同じことやっても、親方に叱られるのは僕だけなんですよ。ひどくないですか?」「巡業の稽古では、横綱や大関に、なぜか僕ばっかり指名されるんですよ。なんでですかね~?」
それに対して、「そういうキャラだからしょうがない。横綱もやりやすいんだよ。サンドバッグ状態だしな。相手を気持ちよくさせてくれるんだよ」と指摘したのは嘉風。サンドバッグ状態って……。
このとき、「3年後どうなっていたい?」と聞くと、正代の答えは「現状維持」。これには一同大爆笑だったが……。
「いや、幕内にいるってだけで、すごいことですよ。もしここで『3年後は大関』って言って、それが記事になって、3年後に『なってないじゃん』って言われるの嫌ですから」
結局、3年もたたないうちに大関に昇進したのだが……。