そして、2020年2月の単独インタビューでは、プライベートについて語ってくれた。
「ひたすら、グータラグータラしてますよ。ずっとYouTubeを見ています。ソフトバンクで、動画見放題の契約にしてますから。
よく見てるのが大食い系の動画。料理を自分でイチから作る人がいるんですよ。とんこつラーメンなんか、3日間ぐらい骨を煮込んでスープを作ったりして。 あとはバイクの動画ですね。新型バイクを試乗したり、ツーリングをしたり。
自分の部屋で寝転んで、ずっと見てます。そのせいか、ずいぶん目が悪くなりました。たしか、視力0.7だったかな。テレビ番組に出たとき、カンペが読めなかったですから。まあ、相撲の場合、土俵に上がれば2メートルぐらい先まで見えればいいんですけど(笑)」
さらに、漫画も大好き。
「『ジャンプ』は、毎週読みますよ。料理の漫画を読みながら、『ああ~、これ食べてみたい』とか。とくに対戦相手の研究もしないし、プライベートの時間まで、ずっと相撲どっぷりになるのは嫌なんですよね。オンとオフを、はっきり切り替えたいタイプなんです」
将来の嫁取りは? 結婚観についても話は及んだ。
「『いいなあ』とは思いますよ。自分だって結婚はしたいですよ。ただこればっかりは、早ければいいってもんでもないですから。
今は自分ひとりのことだけで精一杯です。(結婚すれば)楽しいことは多いとは思いますけど、ひとりの時間がなくなりますし、出費も増えますからね」
ただ、肝心の相撲の話になると、明らかな変化が感じられた。
「次の大阪場所は、3年ぶりに関脇に戻るんですけど、これまで三役で勝ち越したことがないんですよ。大関ですか? 朝乃山は、すぐに上がりそうですけど。自分はねえ……。まあ、怪我なく長く土俵に上がっていられたら、それでいいんで」
と、ここまでは相変わらずの正代節。しかし、取材直前の一月場所で13勝を挙げ、千秋楽まで優勝争いを演じただけに、自身の相撲の進化には手応えを感じていたようだ。
「(2019年の)九州場所で、番付は下がってましたけど、11番勝てたのは自信になったんです。いい印象のまま、初場所を迎えられたのがよかったと思います。
以前は、立合いで受けてから差す相撲だったんですが、攻めて行けましたからね。攻めようと意識したというより、場所が終わって見返してみると、攻める相撲になっていたという感じです」
その “攻める相撲” が見事に結実し、九月場所での初優勝、大関昇進へと繋がったわけだ。9月30日におこなわれた伝達式のあと、電話で話を聞いた。
「前回の取材は、2月でしたっけ。あのときは、まさかこんなこと(大関昇進)になるなんて、まったく思ってもみませんでしたよ。
次の目標は、まずは大関の地位で、確かな存在感を示すことですね。横綱ですか? う~ん、今はそこまで意識できないですよ。コロナがあってしばらく地元(熊本)に帰れていないので、まずは帰りたいですね」
これまでの取材で明かしてくれたとおり、漫画やYouTube動画が大好きな “オタク” な新大関に、最後に「今いちばん会ってみたい人」を聞いた。
「う~ん、誰だろう……。そうですね、コスプレイヤーのえなこさんですかね(笑)。大好きなんですよ! いや、でも今はそれよりも、ゆっくり寝たいかな。何も考えずに 一日中寝ていたい!」
写真・ヤナガワゴーッ!、舛元清香、梅基展央
コーディネート・金本光弘
(週刊FLASH 2020年10月20日号)