DVの手口は、大きく6パターンに分類できると、DV問題に詳しい「あおば法律事務所」の橋本智子弁護士が語る。
「(1)殴る蹴るなどの『身体的暴力』。
(2)言葉で痛めつける『精神的暴力』。
(3)無視やいじめなどの『心理的暴力』。
(4)外出制限などで人間関係を絶たせる『社会的暴力』。
(5)経済的に圧迫する『経済的暴力』。
(6)性交渉を強いるなどの『性的暴力』。
道渕選手のように、6つの手口すべてを駆使するという徹底したケースは珍しい。筋金入りのDV加害者といえるでしょう」
現在、H美さんは道渕と決別し、心身を癒やす日々だという。
「H美さんは、今回の事件で関係者に “迷惑” をかけたということで、情報番組を突如降板させられました。彼女は道渕が裁判を受けることを望んでいましたが、面倒を嫌った所属事務所が、彼女の意に反して示談にしてしまったそうです。
結局、9月いっぱいで事務所との契約も解除になりました。彼女は被害者なのに、事務所はなぜ、彼女にこんな仕打ちをするのか……」(前出・知人)
本誌がH美さんに連絡すると、「お答えできない決まりなので……すみません」と言うのみ。また、彼女の前所属事務所は、「やめた人間ですので、事件に関してお答えすることはできません。9月末日で退社したのは、『インスタやツイッターなど、SNSでより広く活動していきたい』という本人の希望によるものです」と回答した。
一方の道渕は、8月下旬からの5試合はベンチメンバーから外れていたが、現在は何事もなかったかのように試合に出場。チームから、事件に関する公式発表はない。
ベガルタ仙台に問い合わせると、「当時、道渕諒平選手が関わるトラブルについて報告を受け、本人の事情聴取を実施しております」と、事件そのものは認めた。
しかし、「同選手から『二度と同様の行為をしない』との誓約書を取り、重い処分を科したうえで活動を継続させております」と、これ以上の処分の明言は避けた。
H美さんが通報した夜、道渕は彼女の顔を踏みつけ、胸の上に全体重を乗せて正座し、首を絞め、泣き叫ぶH美さんに罵声を浴びせつづけたという。
「人の顔を足蹴にし、その足でボールを蹴って子供たちに応援されてるのが許せない」
H美さんは知人に、こう話していたという。
(週刊FLASH 2020年11月3日号)