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ドラフトで“本命選手”を19人も外している巨人…プロ入り後は“外れ1位選手”とどっちが活躍?
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.10.27 15:56 最終更新日:2020.10.27 16:53
10月26日、プロ野球ドラフト会議がおこなわれ、注目の佐藤輝明内野手(近畿大学)は、オリックス・阪神・ソフトバンク・巨人の4球団から1位指名を受け、抽選で阪神が交渉権を獲得した。巨人は、1966年の第1次ドラフトで江夏豊を抽選で外して以降、2020年の平内龍太(亜細亜大学)が、19人めの “外れ1位” となった。
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そこで今回、巨人の “本命だった選手” と “外れ1位の選手” の通算成績を、以下の条件のもと、比べてみよう。
・投手は登板試合、勝利、敗戦、セーブ、防御率。打者は出場試合、安打、本塁打、打点、打率。ともにNPBでの実働年数を記す
・成績は2020年10月25日現在。いちばん上が1巡め指名の選手、2番め以下が外れ1位の選手。※は現役選手
【1966年】
・本命:江夏豊(阪神→南海→広島→日本ハム)実働18年 829試合 206勝158敗193セーブ 防御率2.49
・外れ:山下司(巨人→日本ハム)実働9年 191試合 20安打 1本塁打 8打点 1割5分6厘
【1979年】
・本命:木田勇(日本ハム→大洋→中日)実働11年 273試合60勝71敗6セーブ 防御率4.23
・外れ:林泰宏(巨人→近鉄→大洋)実働0年 一軍登板なし
【1982年】
・本命:荒木大輔(ヤクルト→大洋) 実働10年 180試合39勝49敗2セーブ 防御率4.80
・外れ:斎藤雅樹(巨人) 実働18年 426試合180勝96敗11セーブ 防御率2.77
【1984年】
・本命:竹田光訓(大洋) 実働3年 40試合1勝2敗0セーブ 防御率4.01
・外れ:上田和明(巨人) 実働8年 203試合 61安打 5本塁打 18打点 2割2厘
【1986年】
・本命:阿波野秀幸(近鉄→巨人→横浜) 実働14年 305試合75勝68敗5セーブ 防御率3.71
・外れ:木田優夫(巨人→オリックス→海外→ヤクルト→日本ハム) 実働19年 516試合 73勝82敗50セーブ 防御率3.91
【1988年】
・本命:川崎憲次郎(ヤクルト→中日) 実働12年 237試合88勝81敗2セーブ 防御率3.69
・外れ:吉田修司(巨人→ダイエー・ソフトバンク→オリックス) 実働16年 533試合37勝32敗23セーブ 防御率3.57
【1991年】
・本命:若田部健一(ダイエー→横浜)実働13年 271試合71勝75敗0セーブ 防御率4.15
・外れ:谷口功一(巨人→西武→近鉄)実働2年 7試合0勝0敗0セーブ 防御率7.36
ドラフト制度開始から逆指名制度導入前までを振り返ると、最大の成功は、1982年の斎藤雅樹だろう。1989年、1990年と、2年連続で20勝を挙げ、最多勝5回、最優秀防御率3回、沢村賞3回獲得し、“平成の大投手” と呼ばれた。分業制が主流になった今、11連続完投勝利の記録は破られそうにない。
一方、1966年の江夏豊は球界のエースとして、王貞治や長嶋茂雄に立ち向かい、1988年の川崎憲次郎は “巨人キラー” として名を馳せた。1979年の木田勇は、1年めに22勝8敗で、MVPなどタイトルを総なめ。もし巨人が引き当てていれば、1980年オフの長嶋茂雄監督の解任はなかったかもしれない。1988年の吉田修司は、1994年のダイエー移籍後に開花した。
【1995年】
・本命:福留孝介※ 近鉄が交渉権獲得も入団拒否。1998年、中日を逆指名
・外れ:原俊介(巨人)実働4年 68試合 19安打3本塁打10打点 2割2分4厘
【2001年】
・本命:寺原隼人(ダイエー・ソフトバンク→横浜→オリックス→ソフトバンク→ヤクルト) 実働18年 303試合 73勝81敗23セーブ 防御率3.88
・外れ:真田裕貴(巨人→横浜→巨人→ヤクルト) 実働12年 312試合24勝28敗3セーブ 防御率4.42
【2006年】
・本命:堂上直倫※(中日)902試合 419安打 29本塁打 182打点 2割2分6厘
・外れ:坂本勇人※(巨人)1772試合 1989安打 240本塁打 859打点 2割9分2厘
【2007年】
・本命:佐藤由規※(ヤクルト→楽天)91試合32勝36敗0セーブ 防御率3.66
・外れ:藤村大介(巨人) 実働5年 294試合 156安打 0本塁打 27打点 2割2分6厘
【2007年】
・本命:大場翔太(ソフトバンク→中日)実働7年 85試合15勝21敗0セーブ 防御率4.39
・外れ1:篠田純平(広島)実働7年 99試合20勝26敗0セーブ 防御率4.24
・外れ2:村田透※(巨人→海外→日本ハム)64試合8勝8敗0セーブ 防御率3.23
【2011年】
・本命:菅野智之※ 日本ハムが交渉権獲得も入団拒否。2012年、巨人が単独1位指名
・外れ:松本竜也(巨人)実働0年 一軍登板なし
【2013年】
・本命:石川歩※(ロッテ) 157試合63勝53敗0 セーブ 防御率3.52
・外れ:小林誠司※(巨人) 621試合 338安打 14本塁打 134打点 2割1分7厘
最大のヒットは坂本勇人。2年めにレギュラーを奪い、14年めの2020年、2000本安打の達成を目前に控えている。2007年は本命の大場翔太、外れ1位の篠田純平を抽選で逃したが、両者ともあまり活躍できなかった。
“外れ外れ1位” の村田透は、巨人では鳴かず飛ばずに終わったが、アメリカに渡ってメジャーで登板。2017年に、逆輸入で日本ハムに入団した珍しい例も。
【2016年】
・本命:田中正義※(ソフトバンク) 11試合0勝1敗0セーブ 防御率8.16
・外れ1:佐々木千隼※(ロッテ) 27試合6勝8敗0セーブ 防御率3.92
・外れ2:吉川尚輝※(巨人) 207試合 185安打 12本塁打 64打点 2割7分2厘
【2017年】
・本命:清宮幸太郎※(日本ハム) 220試合 120安打 21本塁打 72打点 1割9分6厘
・外れ1:村上宗隆※(ヤクルト) 256試合 239安打 61本塁打 178打点 2割6分5厘
・外れ2:鍬原拓也※(巨人) 26試合2勝3敗0セーブ 防御率6.04
【2018年】
・本命:根尾昂※(中日) 8試合 1安打 0本塁打 0打点 0割5分9厘
・外れ1:辰己涼介※(楽天) 219試合 124安打 12本塁打 51打点 2割2分8厘
・外れ2:高橋優貴※(巨人) 21試合6勝8敗0セーブ 防御率3.14
【2019年】
・本命:奥川恭伸※(ヤクルト)一軍登板なし
・外れ1:宮川哲※(西武)44試合 2勝1敗0セーブ 防御率4.12
・外れ2:堀田賢慎※(巨人)一軍登板なし
2016年から2019年まで、巨人は4年連続で、1位指名確定まで2度も抽選に外れている。2016年は1巡めに5球団が田中正義、外れ1位で5球団が佐々木千隼を指名した。
鳴り物入りで入団した2人だが、4年めを迎えた現在まで田中は0勝、佐々木は6勝。“外れ外れ1位” の吉川は2020年、「1番・セカンド」のレギュラーの座を掴み、初の規定打席に到達目前となっている。
本命を外したからといって、必ずしもドラフトが失敗とは限らない。プロ生活がどうなるかは、今後の本人と球団の姿勢次第だ。