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巨人・菅野智之、介助犬協会に900万円を寄付…支援のきっかけは伯父・原辰徳監督

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.21 16:00 最終更新日:2020.12.21 16:00

巨人・菅野智之、介助犬協会に900万円を寄付…支援のきっかけは伯父・原辰徳監督

 

「菅野さんはずっとニコニコしながら、介助犬をなでていましたね。すごく優しい顔で、頭をさわっていました。本当に “人と犬の絆” を理解しているんだなって」

 

 メジャー挑戦の行方が注目される巨人軍のエース・菅野智之(31)。自他ともに認める愛犬家の彼は、介助犬普及についてのボランティアを、人知れずおこなっていた。そんな “令和のタイガーマスク” ともいえるエピソードを、社会福祉法人・日本介助犬協会の広報・後藤優花さんが語る。

 

 

「当協会の会長・橋本久美子が、巨人軍の原辰徳監督と面識があり、協会の活動に協力いただけないか相談したところ『選手が携わったほうが、活動の輪が広がる』と、甥っ子の菅野さんを推薦してくださって。菅野さんご本人も犬が好きなうえ、社会貢献に興味をお持ちだったそうです」

 

 菅野は2015年に、1勝するごとに10万円を協会へ寄付する「菅野基金」を設立し、2019年には「介助犬サポート大使」に就任した。同年までに寄付した金額は、勝ち星分とチャリティオークション分を合わせ、765万円にのぼる。

 

 2020年は14勝の140万円に加え、開幕13連勝を記録した際のヒーローズプレートなどをオークションに出品し、収益を寄付する予定だ。

 

「寄付金は、介助犬の育成や普及などに使わせていただいています。盲導犬と比べ、手足の不自由な方の生活をサポートする介助犬はまだ認知度が低く、全国に57頭しかいません(2020年10月時点)。

 

 菅野さんは、『自分は情報発信できる立場だから、野球ファンが介助犬を知るきっかけにしたい』と言ってくださっています」

 

 2019年からは、巨人戦がおこなわれる際、東京ドームの三塁側コンコースに協会のブースを出展。「そこにいる介助犬に会うことを目的に、足を運ぶ人が増えてきた」と後藤さんは語る。

 

 募金やコラボグッズの売り上げも伸び、12月11日の巨人軍ファン感謝祭で発表されたグッズの売上金は1811万円に。菅野が進んでグッズを使用することが、支援活動につながっているのだ。

 

「菅野さんは、忙しいなかでも、コラボグッズの確認をしてくださいます。みずから、デザインを提案してくださることも。
ご自身が練習でコラボTシャツを着てくださるだけでなく、ほかの選手のぶんも買って、配ってくださったり。坂本勇人選手は、2000本安打達成のお祝いの席で着用してくださいました。

 

 コロナ禍でも、『介助犬支援の輪を、ぜひ一緒に広げてください』という動画を撮ってくださったり、つねに自分に何ができるのかを考えていてくれています」

 

 7月3日の対中日戦では、東京ドームのネット裏LEDビジョンに、「菅野投手Fight」のプレートを首に下げた介助犬が映し出された。先発の菅野は、1安打完封勝利。ワンちゃんからのエールに、完璧な投球で応えた。

 

 菅野本人にコメントを求めたところ、以下のような回答を寄せてくれた。

 

「もともとは犬が怖くて苦手でしたが、中学2年のとき、家でトイプードルを飼うことになり、それがきっかけで犬が好きになりました。

 

 以前、介助犬協会の会長とお話しした際、介助犬が足りないと伺いました。介助犬の知名度は、まだまだ低いのかもしれませんが、僕が発信することで『少しでも多くの方々に興味を持ってもらい、認知してもらいたい』という思いです」

 

 2021年シーズンはメジャーへの挑戦を表明した菅野だが、支援活動はどうなるのだろうか。

 

「年齢も、まさに選手として脂がのった時期。海を渡るには、ベストなタイミングだと思います。メジャーリーグで活躍するようになっても、願わくは介助犬の活動をご支援いただければ、嬉しいです。いずれにせよ、菅野さんがご自分で決定されたことを、私たちは応援したいです」(後藤さん)

 

 菅野自身は今後、活動にどうかかわっていくかについて、こうコメントした。

 

「内海哲也さん(元巨人・現埼玉西武ライオンズ)のおこなっていたランドセル基金など、プロ野球選手としてボランティアにかかわる方法は、いろいろあります。僕が先輩の背中を見て勉強したように、若い選手たちに伝えていくことも僕の役割だと思っています。介助犬支援の輪が広がってくれることを願っています」

 

 米国では、スポーツ選手の社会貢献は当たり前。米大リーグ行きに揺れる菅野だが、社会貢献は “メジャー級”。メジャーへの挑戦を、ワンちゃんたちも応援だ!

 


写真提供・日本介助犬協会

 

(週刊FLASH 2021年1月5日・12日合併号)

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