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元K-1王者・武居由樹がボクシング転向…元世界王者・八重樫コーチは「すべてが伸びしろ」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.24 09:00 最終更新日:2020.12.24 09:15

元K-1王者・武居由樹がボクシング転向…元世界王者・八重樫コーチは「すべてが伸びしろ」

写真左から大橋秀行会長、武居由樹選手、八重樫東コーチ

 

 元K-1 WORLD GPスーパーバンタム級王者である武居由樹(24)が12月13日、「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN IN 両国国技館」をもって王座を返上。ボクシングへの転向を表明した。

 

 元K-1王者のボクシング転向は衝撃的だが、日本ボクシング界にとっては明るい話題だ。名門・大橋ジムに所属し、WBA・WBC・IBF各団体の最上位の世界王座3階級制覇を達成した八重樫東コーチ(37)に指導を仰ぐという武居。2021年3月にプロデビューが発表されたが、八重樫コーチに武居の現状について聞いた。

 

 

「ボクシングの技術についていえば、総合出身ということもあり、ある意味特殊な感じのスタイルですね。いわゆる “ボクシング” に、どう当てはまるかはわからないんですが、彼の持っているポテンシャルは高い。

 

 K-1のチャンピオンですから、確実に上に行けるとは思っています。ボクシングの実力という点だけであれば、我々が見ているもの、目指しているものが高いので、そういう意味では、まだまだですけどね」

 

 現在は、ボクシングの基礎練習を積み重ねているという。

 

「細かいステップや防御の技術はもちろんですが、K-1の3ラウンド制から、12ラウンド制に変わるわけです。アマチュアからプロに転向するときもそうなんですが、スタミナの使い方が全然違う。

 

 短距離専門のスプリンターが、マラソンを走るのは無理じゃないですか。単純にスタミナをつけるのではなくて、ペース配分を覚えていかないといけないんです。課題が山積みなぶんだけ、その課題がすべて伸びしろになるんですよ」

 

 八重樫コーチは、武居の今後について大きな期待を寄せている。

 

「彼はまだ若いですし、どこまで伸びていくのかは僕もわからないところではあるんですが、現在まで積み重ねてきたものもあるからこそ、プラスに作用するように持っていくつもりです。

 

 期待感というよりは、一緒に作っていくというか、あくまでも彼が伸びていくサポートをしようと思っています。本人の努力と思考があってこその、僕の仕事ですから」

 

 また、武居の特徴に「吸収力」があると、八重樫コーチは指摘する。

 

「とても素直な選手なんですよ。武居が今いるジム(POWER OF DREAM)の古川誠一会長とも話したんですけど、『吸収する能力』、つまり言われたことを自分の中に落とし込んでいく能力が非常に高いからこそ、あれだけ強くなったと思うんですよ。教え甲斐は、すごくありますね」

 

 自身も9月1日に引退したばかりで、「指導者としては、まだまだ」と自己採点する八重樫コーチだが、武居を育てることで、ともに向上していくという。

 

「まだコーチとしての日が浅すぎて、勉強させてもらってる感じではありますね。二人三脚で作っていく作業が、これから多くなると思います」

 

 最後に、“ボクサー” 武居由樹に、どんな選手になってほしいかを聞くと……。

 

「伸び伸びとボクシングをする選手になってほしいですね。彼の “性格のよさ” が出るような。ボクシングの試合って、そういうものなんですよ。リングにあがったときの立ち振る舞いに、選手の性格が出るんです。

 

 彼のK-1の試合を見ていて、すごく楽しそうにやっているのが印象的でした。戦えることが楽しいんだろうし、そういう気持ちを失ってほしくない。『いい意味で、型を破っていってほしいな』と思ってますね。リング上でキラキラして見える選手は、観客からも応援されやすいですし。

 

 自分自身が楽しんでやらないと、お客さんにも楽しさが伝わらない。もちろん “遊びとして楽しむ” のではなく、ボクシングでも “真剣に集中して楽しめる” までになってほしいですね」

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