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新十両・王鵬、日ハム「清宮幸太郎」に土をつけた“大鵬の孫”

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.10 06:00 最終更新日:2021.01.10 06:00

新十両・王鵬、日ハム「清宮幸太郎」に土をつけた“大鵬の孫”

北海道にある祖父・大鵬の銅像の前で、母の美絵子さんと記念撮影

 

 世代交代が進む大相撲で、「黄金世代」と呼ばれる若手たちがいる。1999年度生まれの前頭・琴勝峰(21・佐渡ケ嶽)、前頭・豊昇龍(21・立浪)、そして一月場所から十両に昇進した王鵬(20)らだ。

 

 王鵬の父は元関脇の貴闘力(53)。母親の父は “昭和の大横綱” 大鵬という角界のサラブレッドだけに、期待は大きい。さぞかしプレッシャーに感じているのでは、と本人に聞いた。

 

 

「(大鵬の孫と)言われることは、全然嫌じゃないんですよ。すごく光栄だと思ってます」

 

 大横綱とはいえ、「自分にとっては、おじいちゃん」。小学校から相撲を始めると「頑張れ、頑張れ」と励ましてくれたという。

 

「すごい人だったんだということは、徐々にわかりましたけどね。いまは憧れの存在です」

 

 一月場所から、四股名は本名の「納谷」から、王鵬に。もちろん、鵬の字は祖父から取った。

 

「先場所の13日目ですね。部屋に帰る車の中で、(大嶽)親方が『お前の四股名、王鵬だから』って。いきなりで驚きましたけど(笑)、シンプルでカッコいいなと」

 

 名門・埼玉栄高校から入門し、初土俵は2018年一月場所。3年で関取の座を掴んだ。

 

「自分の中では、2年で関取に上がるつもりでいたんです。でも、幕下上位になると逆転の突き落としを食らったりして苦労しました。この1年の遅れが、自分の中では納得できていない。それが本音です」

 

 高校時代のチームメイトである琴勝峰は、ひと場所先に初土俵を踏み、2年で関取に昇進。2020年七月場所で幕内に上がり、3場所連続勝ち越しと快進撃をみせている。

 

「高校の稽古場では、めちゃくちゃ強かったし、今の活躍もさすがだなと思います。でも、負けてられないという気持ちは強くあります。早く幕内に上がって、当たりたいですよ」

 

 朝青龍の甥・豊昇龍とは、高校時代に対戦経験がある。

 

「向こうは相撲を始めたばかりだったんで、さすがに負けなかったですけど、今は立場が逆転してますからね。もちろん、負けたくないです」

 

 ちなみに小学4年時には、現在プロ野球の日本ハムで活躍する清宮幸太郎と、「わんぱく相撲東京都大会」で対戦。見事に清宮から勝ち星を挙げたという。

 

 191cm170kgの恵まれた体格を生かし、豪快な突き押しで相手を圧倒する相撲に、“大器” を感じさせるものがある。

 

「今は、押しを貫いていこうと。相撲の基本ですし、押す力をつければつけるほど、強くなれると思っています」

 

 大きな影響を与えているのは、大関・貴景勝(24)だ。

 

「大関から、『押しで勝負すれば負けない。押しが外れたり、すかされたりするから負けるんだ。自分の形でやれば負けない』と言われました」

 

 高校の先輩であり、中学時代から世話になっている大関のように、“自分の形の押し” を見つけたいという。1月10日には、一月場所の初日を迎える。

 

「15日間相撲を取るのが初めての経験ですから、まだ勝手がわからない部分があるんです。もちろん全部勝つつもりではいますが、それよりも15日間を通して気合の乗った相撲を取り続けたい」

 

 目指すは、やはり横綱?

 

「もちろんです。最初からなれないと思っていたら、絶対になれないですから」

 

“令和の大横綱” を目指し、王道を行く。

 

王鵬幸之介/おうほうこうのすけ
2000年2月14日生まれ 東京都出身 191cm170km 埼玉栄高から大鵬部屋の流れを汲む大嶽部屋に入門。2018年一月場所で初土俵。2020年十一月場所、幕下筆頭で6勝1敗の成績を挙げ、十両昇進。四股名を「納谷」から、「王鵬」に改めた

 

コーディネート・金本光弘

 

(週刊FLASH 2021年1月19日・26日合併号)

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