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セ・リーグがDH制を導入したら「得する8選手」の実名…金村義明がメリットを熱弁

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.23 21:12 最終更新日:2021.01.23 23:19

セ・リーグがDH制を導入したら「得する8選手」の実名…金村義明がメリットを熱弁

“制球難” の阪神・藤浪投手にも、DHは奏功する!?

 

「環境は変わっていないので、2021年も “特例2020” をベースにしていく。その中に、『DH制』は入っていません。そういう話が出ているのは百も承知しているが、あくまでも “リーグの中のルール” の話。リーグのほうで、ルールをつくっていただければ幸いと思っている」

 

 

 1月12日、日本プロ野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナーは会見で、セ・リーグの指名打者(DH/Designated Hitter)制の導入について、そう言及した。

 

 DHとは、守備には就かず、攻撃時にピッチャーに代わって打席に立つ「打撃専門の選手」のこと。日本ではパ・リーグが、米国MLBのア・リーグを参考に、1975年から採用している。

 

 もともとセ・リーグのDH制の導入は、2012年から話し合われてきた継続議題。そこに新たな火種を生んだのが、2020年の日本シリーズだった。ソフトバンクが「(コロナ禍による)過密日程における投手の負担軽減」を理由に、全試合DH制導入を申し入れると、NPBがこれを採用。その結果、8年連続でパ・リーグが日本一を達成したのだ。

 

 そして日本シリーズ後の、12月3日。プロ野球選手会が、毎年恒例の選手大会総会で、12球団の選手会長や副会長ら25名を対象に、セ・リーグのDH制導入についてアンケートを実施。結果、9割以上が賛成の意向を示した。

 

 導入に向けた具体的な動きがあったのは、2020年12月14日。セ・リーグ理事会に、巨人が山口寿一オーナー名義で、2021年シーズンからの暫定導入を提案した。しかし、「来季の編成(戦力補強など)がすでに終わっている」などの理由から4球団が反対し、2021年の採用は事実上、見送られた。年が明けた1月12日におこなわれた12球団代表者会議でも、議論されることはなかった。

 

 こうした “DH見送り劇” に対し、「なぜ導入しないのか!」と怒りをあらわにするのが、野球評論家の金村義明氏だ。

 

「巨人が、2年連続でソフトバンクに4連敗した日本シリーズを見ても明らかです。セ・リーグは、パ・リーグに大きく差を開けられているんですよ。横浜の(アレックス・)ラミレス前監督が勇退の際、『パはセの5年先をいっている』と語っていましたが、僕はもっと差があると思っています」

 

 ここ10年の日本シリーズの結果をみると、ソフトバンクが7回、楽天・日本ハムがそれぞれ1回優勝しており、セ・リーグは日本シリーズで勝てていない。それは、「DH制を導入しているパのほうが攻撃面で有利」という理由だけではないという。

 

「DH制は、先発投手を育てるんです。たとえばパでは、先発が中6日で投げ、4回までに4点くらい取れていても代えません。中6日もかけて調整してきたんだから、最低もう1回。そのまま7回まで投げさせることだってあります。それは、DH制があるからできることなんです。

 

 一方でセは、その展開で打席が回ってきたら、負けているから代打を送らざるをえない。これでは先発投手は育たないし、早く代えるから、中継ぎにしわ寄せがくるわけです。その結果、WBCや五輪の先発投手は、パからしか選ばれないという事態に陥っている」

 

 ほかにも、投手が打席に立たないメリットがあるという。

 

「投球の幅を広げ、思い切った投球ができるんですよ。たとえばパの投手はみんな、『(配球やピンチで)困ったときはインハイ』と考えます。ところがセの投手はみんな、『外角低め』と考えるんです。なぜだと思いますか?

 

 それは、『インハイに投げてデッドボールになったら、自分の打席のときに報復される』と恐れているからなんです。一方でパの投手は、たとえぶつけても、一応は帽子を取って謝りますが、涼しい顔をしていますよ(笑)。打席に立たない自分がぶつけられることはありませんからね」

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