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最高額は名実ともに松井秀喜…データで判明「今なら年俸6億超え」のレジェンド打者は?
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.31 06:00 最終更新日:2021.01.31 06:00
プロ野球選手の年俸が、年々高騰している。現役最高額はソフトバンクの柳田悠岐(32)で、6億1000万円だ。はたして、彼らの年俸は適切なのか。過去の成績をもとに、名選手たちの年俸を算出することで議論したい。今回、お送りするのは、打者編だ。
【一覧表】日本プロ野球「今なら年俸いくら?」強打者ランキング!
対象となるのは、年俸1億円の大台に初めて乗った落合博満(67)以前の選手のなかで、名球会入りの資格を持つ選手たちだ。プロ野球のデータに詳しいスポーツライターの広尾晃氏(61)が、打者を評価する「RC」という指標を用いて算出した。
「RC(Runs Created)とは、すべての打撃指標を加味して作成する総合指標(計算式は、本記事末尾に注釈で記載)です。この指標は、出塁率を重視しており、四球だろうとヒットだろうと、同じ価値としてカウントしています。
実際、近年は、日本でも米国でも出塁率の重要性が唱えられています。メジャーではマイク・トラウト(29)が3回、日本では丸佳浩(31)が2回MVPに輝いていますが、ともに個人タイトルを獲ったからではなく、出塁率が高かったからです」(広尾氏)
年俸トップに輝いたのは、王貞治(80)。その理由は、本塁打数を見れば納得だが、広尾氏は四球出塁の多さをあげる。
「1973年に王さんが得た四球は、124もあります。124被四球は、124安打と同じ価値があるわけですから、合計して年間で280本近く安打を打ったことと同じ評価なんです。また、RCには三振数がマイナス要素として算入されますが、この年はわずか41三振のみで、本塁打数より少ないんです。
得てして『長距離打者は三振が多い』といわれますが、王さんには、あてはまりません。しかも一本足打法になった1962年から19年間、同じような成績を残し続けています。王さんは、球界史上最高の打者だと思います」
元ロッテの投手で、ソフトバンクホークスの取締役を経て、現在は桜美林大学教授の小林至氏(52)も、出塁率の重要性を説く。
「私も年俸を査定する際、打率は参考指標で、重視したのは出塁率です。王さんの場合、出塁率が5割を超える年もあり、通算出塁率は.446、2786安打に四死球2504を合わせると5290。つまり、5000本安打を打ったのと同じなんです」
さらに、選手の年俸を決めるのは、成績だけではないという。
「王さんと長嶋茂雄さん(84)の現役時代は、巨人戦は毎試合が全国に生中継され、視聴率はコンスタントに20%を超えていました。野球ファンは、巨人ファンかアンチ巨人のどちらか、という時代でした。
王さんは、野球と巨人を国民的コンテンツに押し上げたわけで、ほかのスポーツでいうと、NBAのマイケル・ジョーダンのような存在です。なので、年俸20億円×10年契約でも十分に価値があるでしょう。長嶋さんも同じく、年俸20億円でも安いくらいです」(小林氏)