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打者1位は阪神のバース…データで判明「今なら年俸7億超え」レジェンド外国人選手は?

スポーツ 投稿日:2021.02.07 06:00FLASH編集部

打者1位は阪神のバース…データで判明「今なら年俸7億超え」レジェンド外国人選手は?

レジェンド打者・バースの1986年の「打率.389」は日本記録

 

 打っても投げても豪快な「助っ人外国人」は、プロ野球の花形選手。しかし彼らには、日本の野球に適応できるか否かで、当たり外れが激しい印象もある。では、レジェンド外国人選手たちは、今ならどれだけの年俸をもらえるのか。

 

 活躍した外国人選手の年俸を、成績をもとに算出することで議論したい。投手はPR(Pitching Runs)、打者はRC(Runs Created)という指標を用い、投手の場合は菅野智之(31)、打者の場合は柳田悠岐(32)の年俸を基準にして算出している。どちらの計算も、プロ野球のデータに詳しいスポーツライターの広尾晃氏(61)によるものだ。

 

 

 投手編で1位に輝いたのは、阪神のジーン・バッキーだ。

 

「彼は、ケタ違いにすごい選手です。これだけ投げて29勝し、外国人初の沢村賞も受賞しました。阪神史上不滅の記録ですよ。

 

 メジャーでは、すでに1920年代にローテーションシステムが確立され、投手は先発、中継ぎ、抑えと分業化していました。なので、メジャーからやってくる投手の多くは、契約に『100球以上は投げない』とか『7回まで』といった内容を織り込んでいます。

 

 では、なぜバッキーがこれだけ投げたのかというと、彼は3Aでも3試合しか投げていない、いわばセミプロのような立場だったからです。なんとか日本で成功したいという意気込みがすごかったし、日本で野球を覚えた “日本製外国人投手” でした」(広尾氏)

 

 一方、ランキングの中で目立つのは、救援投手の存在だ。7位のジェフ・ウィリアムス(48)以下9人は、すべて救援投手だ。

 

「救援投手が活躍できる要因は、いくつかあります。まず、そもそもメジャーでは、救援投手の年俸が安いんです。652セーブの歴代最多記録を持つマリアーノ・リベラ(51・元ヤンキース)でさえ、最高年俸は約16億円でした。

 

 リベラでさえそうなのだから、若手の救援投手はもっと安い。だから日本の球団でも低価格で獲れますし、彼ら自身も、『日本で大金を稼ごう』といったハングリーさを持っている。

 

 もし投手を獲得するなら、メジャーで先発として実績のあるベテランよりも、若くてやる気のある救援陣を獲るほうが、コスパがいいんです。現在、ソフトバンクで大活躍するリバン・モイネロ(25)は、その典型ですね」

 

 一方、打者でトップに輝いたのは、いまもタイガースファンが “史上最高の助っ人” と崇めるランディ・バース(66)だ。

 

「1950年の藤村富美男、1973年の王貞治(80)と並び、1986年のバースの記録は突出しています。この年、ブーマー・ウェルズ(66)はキャリアハイの42本塁打。ウォーレン・クロマティ(67)は.363の高打率でした。

 

 じつは1986年は、『ボールがよく飛ぶ』といわれたシーズン。伝説的な成績を残すには、環境も大事なんです」

 

 ランクインした選手には、共通点があるという。

 

「クロマティ以外、メジャーでの実績がないということです。たとえばウラディミール・バレンティン(36)は、マリナーズで将来の主軸と期待されましたが、守備が苦手で、メンタル面に不安があり、メジャーでは大成しませんでした。メジャーで活躍した選手が日本で同様に活躍した例は、ほぼありません」

 

 これには元ロッテの投手で、ソフトバンクの取締役を経て、現在は桜美林大学教授の小林至氏(52)も賛同する。

 

「2005年、ソフトバンクが『目指せ世界一』を掲げて、メジャーで前年に32本塁打110打点を挙げたトニー・バティスタ(47)を2年15億円で獲りましたが、1年めは27本塁打、打率.263の記録しか残せず、1年で自由契約にしました。

 

 こういう例は近年ではまれで、それ以後、来日する選手の多くは、いわゆるメジャーのスターではありません。ほとんどが20代後半で、メジャーと3Aを行ったり来たりしている選手です。

 

 メジャーでの出場機会は、スター選手が怪我をしたときなどに限られているので、『フル出場すれば活躍できる』という自負とハングリー精神を持ち合わせています。こうした選手は、日本のどの球団もリストアップしていますが、彼らは年俸が高く、条件もいいソフトバンクや巨人を希望することが多いです」

 

 さらに、外国人を獲得する際、トレンドとなっているのが「韓国経由日本行きだ」と広尾氏と小林氏は声を揃える。

 

「韓国も日本も、メジャーに比べて投打にわたり細かい野球が求められます。もし韓国で活躍できるなら、日本でも活躍できる可能性が高いのです」(広尾氏)

 

 その最たる例が韓国リーグの斗山で活躍し、日本でも本塁打王に3度輝いたタイロン・ウッズ(51)である。

 

「2019年に韓国で多くの試合を取材しましたが、そのほとんどに日本の球団のスカウトが来ていましたね」(広尾氏)

 

 2021年こそ、バース超えの助っ人を見たい! 以下の関連リンクで、日本プロ野球における「今なら年俸いくら?」の外国人ランキングを、投手・打者別で公開する。

 


写真・朝日新聞

 

(週刊FLASH 2021年2月16日号)

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