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本命・巨人の“優勝三銃士”中継ぎ陣が「怪我&不調」セ・リーグは混戦模様
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.23 18:15 最終更新日:2021.03.23 18:15
3月26日、プロ野球が開幕する。セ・リーグの本命とされるのは、2連覇中の巨人だろう。オープン戦は6勝7敗1分で7位に終わったものの、打線は坂本勇人(32)、岡本和真(24)、丸佳浩(31)のクリーンアップに加え、2020年リーグ打率2位の梶谷隆幸(32)もDeNAから加入。オープン戦では打率1割9分6厘と低迷したが、怪我なしでシーズンに突入できそうだ。
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新外国人のジャスティン・スモーク(34)、エリック・テームズ(34)は来日できていないが、4年めの若林晃弘(27)が楽天の田中将大(32)からホームランを放つなど、オープン戦チーム1位の10打点と勝負強さを発揮し、原辰徳監督(62)の重視するOPS(出塁率+長打率)は10割を超えた。ベテランの中島宏之(38)や亀井義行(38)が控えに回る可能性もあり、選手層は底上げされている。
投手陣に目を移すと、エースの菅野智之(31)は3試合で防御率0.00と完璧な投球を見せ、3年めの戸郷翔征(20)も3試合で防御率1.29と順調に仕上がっている。先発3番手はエンジェル・サンチェス(31)、4番手は今村信貴(27)、5番手はDeNAからFA移籍の井納翔一(34)、6番手は高橋優貴(24)になりそうだが、畠世周(26)、平内龍太(22)も控えている。
桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)は、「先発135球完投」を掲げているが、先発陣は2020年まで100球前後で降板しており、完投はすぐには続出しないだろう。2020年の巨人の完投数は菅野3、畠1の計4つ。移籍した井納の1を加えても5つにしかならず、2021年も中継ぎ陣に頼ることになる。
そのリリーフ陣には、不安が残る。2年間クローザーを務めたルビー・デラロサ(32)が左足小指骨折で出遅れ、貴重な左のサイドスローの大江竜聖(22)は、右太腿裏の張りを訴えて、ともにオープン戦登板なし。高梨雄平(28)は6試合中4試合で失点し、防御率9.00と安定感に欠けた。2020年の前半、貢献度の高かった “三銃士” の計算が立たないのだ。
オープン戦で安定感を見せたのは育成から支配下登録された高木京介(31)、最速156kmをマークしたチアゴ・ビエイラ(28)、今季から抑えに回る中川皓太(27)くらい。中継ぎのテストをされた桜井俊貴(27)、2020年一軍登板なしの戸根千明(28)はチャンスをもらったものの、結果を残せなかった。5月で38歳を迎える大竹寛は、2020年怪我で離脱しており、1シーズン持つかは不透明だ。
2017年オフに西武からFA移籍した野上亮磨(33)は、3年間活躍できなかったが、3月9日のソフトバンク戦では伸びのあるストレートで2回無失点、14日のDeNAとの二軍戦でも緩急を使った投球で5回1失点に抑え、好調をアピールしている。野上が出てきて先発ローテーションに入れば、畠、高橋、平内らを中継ぎに回せる。
近代野球では中継ぎの役割が大きくなっている。2020年の巨人も、リリーフの防御率が10月は4.38、11月は5.47と悪化し、2カ月連続で月間負け越しを記録。勢いのないまま日本シリーズに臨み、ソフトバンクに4連敗を喫した。
過去2年間と比べ、リリーフ陣が不安な巨人。中継ぎ陣が安定しなければ、3連覇に黄色信号が灯るーー。