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古賀稔彦さん急逝…愛弟子・谷本歩実の追悼秘話「先生が孤独から救ってくれた」

スポーツ 投稿日:2021.03.29 18:00FLASH編集部

古賀稔彦さん急逝…愛弟子・谷本歩実の追悼秘話「先生が孤独から救ってくれた」

2004年のアテネ五輪柔道女子63kg級で、谷本氏は金メダルを獲得し、古賀コーチと笑顔で抱き合った

 

「2020年から体調を崩されて、でもメールや手紙、会話では、いつも元気な古賀先生でした。まわりに迷惑や心配をかけることを嫌がるし、人に頼らない。もし頼ったら “倍返し” の方ですから。絶対、元気になると思っていたんですが……」

 

 

 1992年バルセロナ五輪柔道71kg級金メダリストの古賀稔彦さん(享年53)の突然の訃報は、日本国民に衝撃を与えた。古賀さんの愛弟子であり、2004年アテネ五輪、2008年北京五輪柔道63kg級金メダリストの谷本歩実さん(39)は、今もまだ実感が湧かないという。

 

 谷本さんと古賀さんの師弟関係は、まさに二人三脚だった。2000年シドニー五輪代表を逃した古賀さんは、全日本女子のコーチに就任。当時、筑波大学1年生の谷本さんを指導した。

 

「初めて会ったときから “あのまんま” でした。とにかく、人に尽くす方でした。練習中に苦しそうなコがいれば、そのコを盛り上げる。目立たないコがいたら笑顔を引き出して、周囲を和ませて輪を作っちゃう。先生がいる合宿は、笑いが絶えませんでしたね」

 

 谷本さんは2001年のミュンヘン世界選手権代表となり、2004年のアテネ五輪まで、古賀さんの指導を仰いだ。

 

「『柔道の指導は犬の散歩だ』と、よく言ってました。自分が行きたい方向に無理やりリードを引っ張るんじゃなくて、犬の歩きたいほうに行かせるのを後ろから見守って、間違った方向に行きそうになったらリードをちょっと引く、というような指導法でしたね」

 

 谷本さんの五輪2大会連続となるオール一本勝ちでの金メダル獲得は、まさに “古賀イズム” の象徴だ。

 

「 “魔法の言葉” というか、私の胸に刺さった言葉はたくさんあります。最初の大会で先生から『今回、どこを目指してる?』と聞かれて、『メダルを獲れたらいいなと思ってます』と答えたら、『そんなヤツは勝てない。金メダルを目指す覚悟を持ってほしい。覚悟を持つというのは、負ける覚悟を持つことも自分の中に共存させることなんだ』と言われました。

 

 ソウル五輪(古賀さんは3回戦敗退)の悔しさ、死んでしまいたいくらいの地獄のようなつらさが、先生にはあったんです。覚悟を持つということを、『決心』という言葉で伝えてくれました」

 

 谷本さんは現在、指導者や東京五輪組織委員会理事としても活動する。

 

「指導者になって、先生から言われたのは、『選手が指導者の力量を引き出してくれるかは、相性もある』ということ。そう考えると、私たちは相性がよかったんでしょうね。

 

『俺は相性に恵まれた』と言われたのは嬉しかったですね。私は最初の弟子みたいなものですから、その後いろんな選手を指導して、そう思ってくれたのでしょう。『(選手から)ひとつ聞かれたら、10個答えられるように準備しておけ』とも、よく言われました」

 

 信念を曲げず、けっして軸がぶれない――、それが古賀さんの生き方だったという。

 

「『優しい人になりなさい』が口癖で、選手のサポート、フォローを気にかけて、体罰なんて無縁の人でした。

 

『一流のアスリートは、一流の指導者になれない』なんていわれるけど、先生はすごい選手で、すごい指導者でもあった。先生から学んだ、ひと言ひと言が道しるべになるというか……。『柔道は人間形成の場である』という教えを、私が繋いでいかないといけませんから」

 

 今回、古賀さんの訃報を受けて、谷本さんはあらためて気づかされたことがあるという。

 

「いろんな選手たちから連絡があったのですが、『つらいときに声をかけてくれたのは誰だった?』っていう話になって、みんな『やっぱり古賀先生だったよね』って、口を揃えて言うんです。

 

 孤独感を感じている選手を、いち早く察知して、さりげなくそっと手を差し伸べる。『私だけじゃなくて、本当にたくさんの選手が先生に救われていたんだな』って、あらためて思いました」

 

 さらに、柔道界のみならず、各界から多くの哀悼の意が寄せられた。

 

「これも、先生の人柄だなと思います。本当に人のために生きてきたような人ですから。私が引退するとき、『人のために行動できる心。それがわかるような生き方をしなさい。それが、これからの歩実の課題だ』って言われました。これからは、その答えを自分で見つけていきたいと思います」

 

 最後に、谷本さんは涙まじりの声で、明るくつけ加えた。

 

「じつは、先生と一緒に写った写真はないんです。今回、家中を探したんです。でも、撮っとけばよかったって思うくらい、ないんです。

 

 現役のころは気軽に写真を撮るなんて時代じゃなかったですし、いつも一緒にいたので……。それがいちばん自分の中で残念というか……五輪のときの報道写真を見て思い出を噛み締めています」

 

写真・AFP/アフロ

 

(週刊FLASH 2021年4月13日号)

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