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【スクープ】覚醒剤成分が検出…井岡一翔「疑惑の尿」がJBCから消えた! 本人は「潔白」訴えるも再検査できない異常事態
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.04.26 09:20 最終更新日:2021.04.26 09:20
「『格の違いを見せる』と言いつづけてきた。結果で証明できてよかった」
2020年12月31日、WBO世界スーパーフライ級1位の田中恒成(25)との防衛戦に8R・TKOで勝利。王座を守った井岡一翔(32)は、翌1月1日におこなわれた記者会見で、喜びの表情を見せた。
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だが、このとき井岡はまだ知らなかった。試合の直前に採取された彼の尿から、後日ドーピング検査で違法薬物が検出されることを――。事情に詳しいボクシングジム関係者が、こう証言する。
「2021年1月7日に検査がおこなわれ、ほどなく大麻が検出されました。さらに詳しい分析をしたところ、1月19日、『覚醒剤または合成麻薬の摂取が疑われる物質が検出された』と聞きました」
検査をおこなったのは、日本のプロボクシング競技を統括する機関、日本ボクシングコミッション(JBC)だ。スポーツやドーピングに詳しい辻口信良弁護士が言う。
「ドーピング検査においては、同じ尿検体を『A』と『B』の二つの容器に分けます。最初に分析するA検体が陽性でも、選手側が再検査を要求すれば、B検体の分析をおこなうことができる仕組みです」
つまり、井岡から採取したA検体から違法薬物が検出されはしたものの、この段階ではあくまで “疑惑” でしかない。井岡は、「クロ」と断定されたわけではなかった。
ところが、このA検体の検査結果が、井岡サイドに知らされることはなかった。それどころか、事態は奇妙な経過を辿っていく。前出のジム関係者が続ける。
「警視庁が覚醒剤取締法違反容疑で、JBCの検査機関に冷凍保存されていた井岡選手のB検体を押収してしまったのです。違法薬物が検出されてから、すでに1カ月半がたった3月上旬のことでした。
もちろん、JBCが警視庁に知らせなければ、警視庁は薬物検出の事実を知りようもありません。警視庁が検体を押収するように、JBCが仕向けたと言ってよいでしょう」
ボクシング担当記者は、「今回のJBCのドーピング検査への対処は、異例ずくめです」と驚き、こう続ける。
「A検体で違法薬物などが検出された場合、まずJBC理事長が倫理委員会を招集し、審議の結果を選手に通知します。その後、B検体での再検査も陽性となれば、選手の言い分を聞いたうえで、処分を決定します。
その段階で警察に報告することはあると思いますが、JBCとして処分を下す前に、いきなりドーピング検査用の検体を警察に押収させるなんて、聞いたことがありません。しかも、井岡選手は違法薬物が検出されたことも、警察に押収されたことも知らないままだったのです」
では、警視庁の捜査は、その後どうなったのか。警視庁に取材を申し込むと、「個別の事案については回答を差し控えさせていただきます」とのことだった。代わりに、警視庁担当記者が証言する。
「科捜研で実際に鑑定がおこなわれ、鑑定書が作成されたかどうかも定かではなく、4月に入ってから、警視庁からJBCに『この件については、捜査を打ち切ることになった』と連絡があったと聞いています。そしてB検体は、警視庁が全量を鑑定で使い切ってしまったということです」
つまり、JBCは井岡の “薬物疑惑” について、これ以上の検査をおこなうことができなくなったわけだ。今回の手続きに問題はなかったのか。警察官僚出身である澤井康生弁護士は、「一般論だが」と前置きしたうえで、こう語る。
「警察から捜索差押許可状を呈示されたら、スポーツ団体は検体を提供せざるを得ません。覚醒剤取締法違反で刑事裁判になった場合、科捜研や科警研の鑑定書でなければ、証拠能力、証明力が認められないからです。選手の許可は不要ですし、検体を使い切ったとしても、法的な問題はありません」
捜査が打ち切られたのは、どういう理由なのだろうか。
「打ち切りが事実であれば、
(1)検体を鑑定したものの、薬物が検出されなかった
(2)検体を採取してから時間が経過しているなどの理由で、陽性結果が出ても証明力がないと判断された
(3)検体の採取手続きに警察がまったく関与していないことから、B検体が本当に本人から採取されたものか確認できなかった
などの理由が考えられます」(澤井氏)