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大坂なおみ 清原救った “高僧” がエール「東京五輪に執着しないで」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.08 06:00 最終更新日:2021.06.08 06:00
「私は2018年の全米オープンから、長い間うつ病を抱えてきました。それに対処することはとても大変でした」
5月31日、全仏オープンの棄権を発表した大坂なおみ(23)は、SNSでこのようにつぶやき、しばらくコートから離れる意向を表明した。
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そんな大坂に心配の声を寄せる人がいる。年間400人以上の「心の悩み」やスポーツ選手のメンタルをサポートする、法華山示現寺(神奈川県藤沢市)の鈴木泰堂住職(46)だ。
鈴木住職は、2016年に覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕され、有罪判決を受けた清原和博氏(53)のメンタルサポートを手がけた “高僧” として知られている。
「大坂選手は、トッププレーヤーだから心も強くないといけないという道理はありません。テニスの大舞台で、数万人もの観客の前でプレーはできるけど、一人の記者の質問に逃げ腰になるというのは、あっていいことだと思います」
アスリートが「苦しい」「つらい」と悩みを吐露することに、世間は非寛容すぎだと、鈴木住職は言う。
「清原さんは、『人に頼ることができず、弱い自分を表に出せなかったことで、最後は薬物に逃げてしまった』とおっしゃっていました。大坂選手も、(本稿冒頭の)ツイートをするまで、自分の悩みを表に出すことができず、棄権、休養という大きな事態に陥ってしまったのではないでしょうか」
一方で、鈴木住職は大坂の選択にも理解を示す。
「大坂選手は『自分の一時期のキャリアを捨ててでも、棄権しなければいけない』というぐらい心が痩せ細っていたのでしょう。今回の棄権が、“次” を見越したものであるならば、彼女の未来に繋がることだと思います」
未来――それは、本人が出場の意向を示していると報じられている東京五輪なのか。
「五輪に出場することに、まだ心理的な不安があるのなら、何も執着せず、辞退すればいいのです。仮に、大坂選手が五輪に出ないと決断したならば、国民や競技団体は批判したりせず、その意志を尊重するべきだと思います。大坂選手にとっては、テニスを続けることこそが、いちばん大事な未来でしょうから」(同前)
(週刊FLASH 2021年6月22日号)